反転への誓い JFW―JC&PTJレビュー(9)

2021年12月28日 (火曜日)

産地の知名度向上狙って

 サンファスニングシステムズ(SFS、東京都中央区)は、独・プリムの日本国内の総代理店を務める。プリムは服飾業界で現存する世界最古の企業とされ、現在も最大手の総合服飾資材製造卸としてスナップボタンをはじめ豊富な製品をそろえる。

 SFSは、プリムの子会社である伊・フィオッキの製品については海外への販売も行う。フィオッキのビンテージ品は、欧米を中心としたラグジュアリーブランドにも多く使用されている。

 世界で初めてジッパーを開発した米国・タロンから取得したビンテージ・コレクションの提案にも力を注ぐ。SFSは〝古き良き物〟を現在でも顧客が使用できるように管理、供給する体制を整えることで、製品寿命を延ばして環境負荷を低減する役割を担っている。

 群馬県の桐生産地は洋服地や和装、ネクタイ地、ニットなどさまざまな商品が作られている。今回のJFW―JCでは桐生織物協同組合(桐生市)から青木織工芸、アルファテックス、髙光織物工場、Tex.Box、トシテックスの5社が出展し、個性的な打ち出しを行った。

 このうちアルファテックスは、もともとはジャカードのネクタイ地を主力としてきたが、現在はマフラーや服地も生産している。注目を集めたのはシルク起毛で、カシミヤのような軽く、柔らかい肌触りを表現した。起毛は大阪府内の協力工場を活用する。

 着物帯などを製造する髙光織物工場は、ファッションブランド「エレファン」と協業し、着なくなった着物を再利用する裂織(さきおり)を使ったジャケットなど展示した(製品製造はエレファン)。同社の裂織は帯(地)が中心で、洋服での活用は初めて。

 播州織産地の北播磨地場産業開発機構は昨年のJFW―JCに続いて2回目の出展。近年は産地単独の「播州織総合素材展」を東京で開催してきたが、その代替として同展を選んだ。

 播州織産元組合から10社が参加したほか、織布工場などメーカーが4社参加した。産元のコーナーでは各社15点、計150点の生地を、サステイナビリティー、機能性、イチ押しの3カテゴリーに分けて展示。各社ごとにハンガーシールを色分けして分かりやすくした。

 メーカーのコーナーでは貢織布(兵庫県西脇市)の自社製品ブランドのジャカードストールや、服部テキスタイル(同多可町)の高級ホテルリネンなどを披露した。

 「昨年のJFW―JCで実施したアンケートでは約半分が当産地のことを知らなかった。知らない人を減らすことがとりあえずの大きな目標」とし、産地PRに努めた。

(おわり)