中国デザイナーズブランド・  インキュベーターに聞く(1)「陳宇ステュディオ」創業者 陳宇 氏

2022年01月05日 (水曜日)

地方都市にチャンスあり

 中国でデザイナーブランドのインキュベーター(起業への支援)機能を果たすさまざまな業態が生まれ、成長している。昨今の若手デザイナーズブランドの台頭に貢献している。本連載ではインキュベーター企業のトップに、自社の機能や商況について聞く。第1回は、デザイナー集団「陳宇ステュディオ」の創業者、陳宇デザイナー。

(上海支局)

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  ――陳さんは「中国国際ファッションウィーク」などで受賞歴がある著名デザイナーです。

 福建省の厦門(アモイ)理工学院ファッションデザイン学科で副教授を務めながら、デザイナー集団「陳宇ステュディオ」を運営しています。

 陳宇ステュディオは2010年に設立しました。深¥文字(U+5733)などの地場の高級レディースブランドからデザインを請け負う会社として出発し、14年から自社ブランドも始めました。自社ブランドは現在、「CHNNYU」と「上手花田」の二つをメインに展開しています。

  ――上手花田のディレクター、任芸デザイナーは厦門理工学院卒業で、陳デザイナーの元教え子だそうですね。

 はい。陳宇ステュディオには同大学の卒業生ら、90年代生まれの若手デザイナー十数人が所属しています。任デザイナーは、主力デザイナーの1人です。

  ――デザイン請負と自社ブランドの売り上げ比率は。

 請負の仕事が半分以上を占めています。今後、自社ブランドを拡大し、請負の仕事を上回るようにしていきたいです。

  ――中国では新型コロナウイルス禍の後、デザイナーズブランドの成長が加速していますね。

 今は危機とチャンスの時代です。新型コロナ禍で淘汰(とうた)されるアパレル企業が増えています。一方、デザイナーズブランドの一部はセレクトショップを通じた販売が急拡大しています。

 当社も深¥文字(U+5733)と上海、厦門の商業施設などに出店していた店舗を畳み、セレクトショップへの卸売りに切り替えました。特に地方の3、4級都市のショップでの販売が伸びています。

  ――地方都市が好調な要因は?

 大都市の市場に比べ競争が激しくないことと、地域に密着し、消費力のある顧客を囲い込んだショップが多いことが要因ではないでしょうか。地方都市は経済力が劣ると見られてきましたが、ここ数年消費力も伸びています。デザイナーズブランドにとって狙い目です。