年頭所感/東レ/帝人/旭化成/東洋紡/ユニチカ/クラレ/帝人フロンティア/豊田通商/蝶理/ワコールホールディングス/ミズノ/デサント

2022年01月06日 (木曜日)

〈想定よりも前倒しで対応/東レ 社長 日覺 昭廣 氏〉

 中期経営課題の最終年度を迎える2022年度は、事業環境の変化を踏まえて、従来の想定よりも前倒しで対応する。各課題についてこれまでの進捗を分析・評価し、さらに収益機会の創出、コストダウン、業務の高度化・効率化などを徹底的に精査して課題を洗い出す。東レグループは「事業を通じた社会貢献」を目指しており、その社会的責任を果たしていく。そのためにも足元の事業環境だけでなく、2030、50年を見据え今実施すべきことに対して確実な手を打つ。

〈未来の社会支える会社に/帝人 社長 鈴木 純 氏〉

 2022年は中期経営計画の最終年度。新型コロナウイルスと共存する新たな環境下で社会や各産業の期待に応え、確実にチャンスをつかんでいきたい。マテリアル事業は将来の環境貢献につながる。先行例のないヘルスケア事業は自らが第一人者になるのだという意気込みで施策を進める。再生医療事業や医薬品受託製造事業も今年から本格的に稼働する。将来ビジネスと既存ビジネスを共に回し「未来の社会を支える会社」になれるよう、新たな気持ちで「成長基盤の確立」を目指す。

〈社会の信頼不可欠/旭化成 社長 小堀 秀毅 氏〉

 2022年、旭化成は創業100周年を迎え、4月から新しい中期経営計画がスタートする。サステイナビリティーの実現に向けて世界中の企業がダイナミックに変化している今、私たちは自由闊達(かったつ)な企業風土を受け継ぎながら、大きく変革していく重要な局面にいる。昨年来、注力している経営基盤強化の3点(GDP)を皆さんとともに取り組んでいく。次の100年も私たちが存続するためには社会からの信頼が不可欠だ。22年は新型コロナウイルスに打ち勝ち、力を合わせて前進していこう。

〈現場が主役/東洋紡 社長 竹内 郁夫 氏〉

 今春に発表する予定の新長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」で“サステナビリティに貢献するサステナブル(持続可能)な会社”になるための考え方、進むべき方向を示す。次年度から開始する新中期経営計画は2030年の在りたい姿から2025年のあるべき姿をバックキャストし、4年後の達成目標を定める。信頼回復に向けた取り組みも2030年ビジョンに向けたアクションプランも実行するのは現場の皆さんであり、まさに“現場が主役”。皆さんにとって健やかで充実した年となるよう祈念する。

〈正しい行動を/ユニチカ 社長 上埜 修司 氏〉

 新年に当たり従業員の皆さんにお願いしたいのは、“基本や原点に戻り正しく行動しよう”ということだ。コロナ禍によってさまざまな変化が起こっている今日、皆さんの正しく行動した結果が集約され、ユニチカグループの成果となって実を結ぶと考える。基本や原点に立ち戻って正しく行動するためには、さまざまな問い掛けを自問自答し現実をしっかり認識して正しく判断することが求められる。皆さんには“正しく判断”して“正しく行動”することを心掛けてほしい。

〈新中計の下で収益力向上/クラレ 社長 川原 仁 氏〉

 2022年は、26年に迎える創立100周年に向けた新しい中期経営計画のスタートの年に当たる。昨年までに決定・着手した将来への仕掛け、戦略的投資を引き続き着実に遂行して成果を獲得する。それとともに、約2年間の計画構想期間で吟味・策定した新たな戦略と施策を実行して収益力向上と新しい事業の創出による成長を図っていく。それらによって生み出された資金は気候温暖化への対策など、社会に貢献する諸課題の解決に向けた施策にも振り向ける。

〈二つの大きな節目迎える/帝人フロンティア 社長 平田 恭成 氏〉

 2022年は二つの意味で大きな節目と言える。一つは中期経営計画が最終年度を迎えることだ。新型コロナウイルス禍などの外的要因によって目標達成には高いハードルがあるが、実行すべきことの整理をグループ全体で行い、好スタートを切りたい。もう一つの節目はNI帝人商事と帝人ファイバーの統合によって帝人フロンティアが誕生して今年で10周年を迎えること。10年間で磨いたこの強みを活用して、より多くの新事業や新素材の創出に取り組んでいく。

〈独自の価値創造めざす/豊田通商 社長 貸谷 伊知郎 氏〉

 当社が持続的な成長を遂げていくため、今年社員の皆さんに取り組んでもらいたいことを三つ挙げる。一つ目はグローバルビジョン「ビー・ザ・ライト・ワン」の追求。一人一人が独自の価値を創造し、かけがえのない存在を目指してほしい。二つ目は、カーボンニュートラルへの取り組みを全員参加で加速すること。三つ目は対話、ダイアログの活性化。お客さまやパートナー、出社時には同僚らと少し余分な対話の時間を持てば、さまざまな気付きや発見を得られると思う。

〈「さらなる進化・変化」を/蝶理 社長 先濵 一夫 氏〉

 2022年を「さらなる進化・変化」を加速する節目の年とすることを社長として宣言したい。その理由は二つある。一つは、4月に実施される東京証券取引所の市場区分の見直し。当社はプライム市場への移行を予定しており、そうなれば社会の公器としての価値がより問われることになる。二つ目は、次期基幹システムの導入。これは蝶理全体を変えるものであり、そのための投資になる。意識、業務、組織、ビジネス、管理、経営を変える「最大の全社運動」が始まるとの覚悟が必要だ。

〈ワクワクとイノベーション/ワコールホールディングス 社長 安原 弘展 氏〉

 ワコールグループは国内外で多くのイノベーションを起こしている。3月には販売チャネル別に管理していた顧客データの統合が完了し、ビジネスモデルのイノベーションを始動する。欧州では「3Dスマート&トライ」を活用したビジネスモデルの構築を進めている。4月からは新しい中期経営計画がスタートするが、ワクワクであふれるグループに進化したいと考えている。未来に向けたワクワクとイノベーションマインドを持って2022年を進んでいく。

〈今年の漢字は“縁”/ミズノ 社長 水野 明人 氏〉

 スポーツ業界では昨年、東京五輪・パラリンピックが1年延期して開催された。懸命に戦うアスリートの姿は多くの人々に感動をもたらし、スポーツの持つ力を改めて教えてくれた。今年、当社は新研究開発拠点を設立し、ここを起点に、スポーツの価値をより多くの人々につなげたいとの思いを込め、今年の漢字に“縁(えにし)”を掲げる。本年もスポーツと人々との縁を広げ、世界中の人々を幸せにする事業を行っていく。

〈サステイナブル推進/デサント 社長 小関 秀一 氏〉

 最も注力している日本事業の構造改革で、お客さまと直接、関わりを持てる(消費者にネットで直販する)D2C事業の拡大を目指している。お客さまにご満足いただけるよう、当社の競争力の根源である“モノ作り”に注力し、こだわりをもった商品開発に取り組んでいる。モノ作りの強化とD2C事業の拡大を通して、長く使っていただける高品質の商品をお客さまが必要とする分だけ作る。そうした取り組みを通じて生産過程での温室効果ガスや廃棄の削減に努め、サステイナブルな取り組みを推進する。