私が見たパリの服事情 (13)

2022年01月07日 (金曜日)

売れ残りの廃棄処分禁止

 【パリ=龍山千里通信員】フランスの街には衣料品回収箱が設置されている。サイズが合わなくなった服をそこに持ち込んだ時、「何サイズ?」と奇麗なマダムに尋ねられた。「私に着られる服を探している」とのこと。この自然なやりとりがうれしかった。

 パリ近郊では、申し込むと月初などに粗大ゴミを無料で回収してくれる。回収を待つ家具や食器などが道端に並び、のみの市のようになることも。そんな時に人々は、宝探しのように掘り起こす。日本にいた時は、捨てられた物をあさるのをためらったりしたが、こちらでは結構普通の光景。誰かにとっての不用品を必要な人が受け取りやすいのは気持ちがいい。

 そんなフランスで1月1日から、食料品以外の商品の企業による焼却処分が禁止となった。繊維製品だけでなく電化製品、家具、書籍や文具なども対象だ。生産者や流通業者は売れ残りを廃棄することを禁じられ、違反した法人には最大1万5千ユーロの罰金が科せられる。物資を処分するのではなく、各団体などに寄付して利用を促す為の措置だという。

 企業には、売れ残った商品を流通させる再販の仕組みを作ったり、部品を再利用したり、生産量自体を減らすなどの対応が求められる。繊維業界にも大きな影響を与える政策だろう。必要とする人に物資が届く良い仕組みだと思う。各ブランドがどのようにモノ作りを変容させていくのか。今後も注目だ。