東レ「アクスター」/昨年10~12月期でフル稼働/次期中計で増産検討

2022年01月11日 (火曜日)

 東レの不織布事業部は1月出荷分から打ち出したポリエステルスパンボンド(SB)「アクスター」の20~40円の値上げ浸透に全力を挙げる。昨年、アクスターの生産能力を30%引き上げており、既に10~12月期でフル稼働を実現。フィルター向けの対米輸出が好調で2021年度は「19年度を上回る販売量を確保できる」とみる。22年度も対米輸出中心の拡販で21年度を上回る業績を目指す。

 18~19年度は政権交代前の買い控えが発生し対米向けの荷動きはもうひとつだったものの、主力用途のフィルター向けで交換需要が活発化した20年度に入り「市況は一気に回復」。 今後も環境規制の強化に伴い工業用フィルター需要は伸びるとみる。

 対米輸出の拡大や国内で強化してきた輸入品からの代替戦略が奏功し、21年度は「20%強の拡販を達成できる」見通しとなった。

 22年度も既存用途向けを伸ばすとともに、より均一で平滑性に優れたSBを生産できる新機台の特性を生かし、50㌘前後の低目付品の開発・販売に重点的に取り組み、21年度を上回る販売量確保を目指す。

 現中計は22年度が最終年度。23年度からの新3カ年計画に「次の増産対策を織り込むことになる」との意欲を示し、今後もフィルター向けの対米輸出、輸入品からの代替を促進し成長路線を維持したい考えだ。