中国デザイナーズブランド・ インキュベーターに聞く(3)/「オンタイムショー」創始者 董 黄之 氏/デザイナーの総合的支援へ

2022年01月11日 (火曜日)

 「オンタイムショー」は、国内外のデザイナーブランドを取り扱うショールームとトレードショーを運営する。“ファッションテック”の学校設立を構想するなど、デザイナーズブランドを総合的に支援する姿勢を鮮明にする。創始者の董黄之氏に、これまでの歩みや今後の計画を聞いた。

(上海支局)

  ――オンタイムショーは、中国のショールームのパイオニアです。

 上海ファッションウイークの公式ショールームとして、2014年にスタートしました。当時は純粋なトレードショーでしたが、その後ショールームとしての機能を増やしてきました。

  ――トレードショーとショールームの違いは。

 トレードショーは場所貸しです。デザイナーズブランドが出展する展示商談会を開き、そこにセレクトショップ関係者を招きます。ショールームは、ブランドとショップ双方のニーズに基づき、マッチングします。展示商談会だけでなく、その後の販売支援など専門性の高いサービスを提供します。

  ――貴社のトレードショーの規模は。

 展示面積は6万平方㍍。出展者は約300ブランドです。毎回2千~3千ブランドの応募があり、そこから厳選しています。同質化を避けながら、さまざまなニーズに応えるブランドを集めます。

 来場者は、中国全土のセレクトショップのオーナーやバイヤーです。毎回1万8千~2万人が来場します。

  ――取引関係にあるブランドとセレクトショップの規模は。

 創業以来、国内外の2千ブランドと取り引きをしてきました。セレクトショップは3千店ほどです。

 中国ではここ数年、セレクトショップがブームになっています。中高級ゾーンのショップは19年、全国に600店あったのが、今は3千店になったとのデータもあります。

  ――19年末に小売り大手、百聯集団傘下のファンドから出資を受けました。

 出資を受けた後、同集団が上海市中心部に所有する、古い倉庫をリノベーションした6千平方㍍の建物を借り受け、ブランドのインキュベーターセンターの運営を始めました。現在は30ブランド弱が入居しています。当社は入居するブランドに、販売支援サービスなどを提供しています。

  ――今後の計画は。

 地場のデザイナーズブランドは現在、成長段階にあります。専門性に欠けるブランドが淘汰(とうた)される時期もいずれは来るでしょう。われわれは専門性の高いサービスで、業界の健全な成長に貢献します。

 デザイナーズブランドの成長の要になると見ているのが、デジタル活用です。日本のファッションテックスクール「東京ファッションテクノロジーラボ」と提携し、中国でデザイナーのデジタル活用を支援する計画を進めています。