川越政/海外販売を全体の20%へ/拠点活用やMU出展足掛かりに

2022年01月20日 (木曜日)

 生地商社の川越政(大阪市中央区)は、海外での生地販売を強化する。展開生地を「SHIROTEXTILE」(シロテキスタイル)ブランドで統一して訴求力向上を図るほか、イタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ(MU)」に出展するなど攻勢をかける。2023年3月期には海外販売の比率を売上高全体の20%に高める。

 英国・ロンドンに支店、ベトナム・ホーチミンに法人を持ち、これらの拠点を生かしながら中国や欧州、韓国、ベトナム市場の開拓を進めてきた。新型コロナウイルス禍下でも欧州や中国を中心に順調な推移を見せており、海外販売は売り上げ全体の15%を占めるまでに成長した。

 海外でも生地の備蓄販売機能が評価を得る。ロンドンとホーチミンの従業員がスワッチを持って顧客を訪問し、備蓄機能の利点などを説明する。さらに「欧州はもちろん、中国や韓国、ベトナムでも現地のアパレルと商売を行い、ロットを含めたきめ細かい対応が評価されている」と話す。

 海外販売は積極的に伸ばすとし、その足掛かりの一つとして2月1~3日にイタリア・ミラノで開催予定の「MU23春夏」に初出展する。「ロンドン駐在員が『出展してみたい』と希望したので挑戦を決めた」。綿・ウール・麻複合の織物、硫化染めのリップストップなどを提案する。

 生地ブランドの立ち上げについては「海外の顧客は“かわごしまさ”と呼びにくいので作った。シロにはどのような色にも染まる白色や余白の意味を込めている」と説明した。MUで打ち出すほか、国内でもSHIROTEXTILEの名称を用いる。

 将来は「海外でも単独の展示会を開くことができれば」と話すが、国内での販売も順調に伸びていることから「海外販売比率は3割ぐらいが目標になる」とした。国内顧客向けには19年以来3年ぶりとなる個展を今日20日まで東京都渋谷区の「工房33」で開いている。