タイ/22年の昇給率見通しは3.2%/21年実績3.4%から下落

2022年01月21日 (金曜日)

 NNAが在タイの日系企業を対象に実施した給与動向調査で、2022年の昇給率は3・2%になる見通しであることが分かった。21年実績の3・4%を下回る見込み。22年に昇給を実施する予定の企業は71%で、前年の57%を上回ると予想されている。21年に賞与を支給した企業は9割を超え、平均支給額は2・6カ月分となっている。

 給与動向調査は21年8月から10月にかけて、ウェブサイトでのアンケート方式で実施された。有効回答数は457社。

 新卒社員に対する月額の給与は、平均で1万8073バーツ。業界別の平均値では「建設・不動産」が最も高く2万1100バーツとなった。「金融・保険・証券」が2万750バーツでこれに続き、「小売・卸売」も2万571バーツと、3業種が2万バーツを超えた。

 新卒や管理職なども含む部門全体の給与動向では、生産部門の平均が4万3110バーツ。「食品・飲料」が4万8977バーツで最も高く、「四輪二輪・部品」が4万5430バーツでこれに続いた。このほか、「石油・化学・エネルギー」が4万4669バーツ、「繊維」が4万3794バーツで4万バーツを超えている。営業・マーケティング部門の平均は5万239バーツ。同部門では、「金融・保険・証券」が8万9736バーツでダントツ。「その他の非製造業」が6万586バーツでこれに次ぐ給与となっており、「建設・不動産」が5万7576バーツ、「電気・電子・半導体」が5万5579バーツで高かった。人事・総務部門の平均は4万8871バーツ。

 企業が給与を決定する判断材料(複数回答)として、「能力重視」と回答した企業372社で最も多かった。このほか、251社が「勤務年数」、97社が「年齢」と答えたほか、161社は「対目標達成度」と回答している。

〈人件費上昇で駐在員削減も〉

 21年に「昇給した」と回答した企業は91%。昇給実施の時期としては4月が192社、1月が130社で大半を占めた。昇給率の平均は3・4%で、20年の昇給実績3・6%を0・2ポイント下回った。業種別では「金融・保健・証券」が3・8%で最も高く、「機械・機械部品」が3・7%でこれに次ぐ昇給率となった。このほか、「食品・飲料」や「貿易・商社」「サービス」がともに3・6%となっている。昇給の判断材料(複数回答)は「本人の成績」が331社で最も多く、「出欠状況など勤務成績」が266社で続いた。このほか、「現地法人などの業績」が216社、「消費者物価指数・インフレ率」が182社、「同業他社の動向」が178社となった。

 22年には71%の企業が昇給する予定と回答した一方、27%の企業が「未定」としている。昇給しないと回答したのは2・4%にとどまった。21年の賞与を支給した企業は93%。平均では2・6カ月分の支給となった。「1・6~2・0カ月」と回答した企業が81社で最も多く、「2・6~3・0カ月」と回答した企業は74社、「3・6~4・0カ月」は43社となった。

 人件費が「上昇していると感じる」と回答した企業は76%、「感じない」と回答した企業は24%。人件費の許容限度としては、54%が「現在の水準」と回答したほか、33%が「現在の水準の1・2倍」としている。人件費上昇の対策(複数回答)としては、「業務効率化によるコスト減」が328社で最も多く、「売り上げ向上」が303社でこれに続いた。「日本人駐在員の削減」は130社、「自動化」は123社、「現地の人員削減」が104社で続いている。労務管理上の問題点(複数回答)としては、「優秀な人材の確保」が358社で最も多く、「賃金上昇」の221社を上回った。離職率は「0~3%未満」との回答が57%で最多となり、「3~5%未満」が18%、「5~8%未満」は12%となった。[NNA]