産資・不織布通信(93)/ボーケン品質評価機構/非アパレルも拡大で需要創造
2022年01月24日 (月曜日)
日本の衣料品生産・消費が減少する中、規格試験や機能性試験、化学分析などを担う検査機関にとっても非アパレル分野の拡大は避けて通れない課題となる。その先頭を走る検査機関の一つがボーケン品質評価機構だ。吉田泰教理事長は「2022年度(23年3月期)から始まる新中期経営計画でも『未来に選ばれるボーケン』をテーマに掲げ、新たな需要を創造する」と話す。生活産業資材も重点分野に位置付ける。
同機構は19年から「繊維」「機能性」「生活産業資材」「認証分析」「海外」の5事業本部制に移行した。生活産業資材事業本部は家具、日用品、服飾雑貨、産業資材、自動車内装材など幅広いアイテムの試験を担う。
いずれも日本産業規格(JIS)や国際標準規格(ISO)などに基づく製品性能試験や安全性試験を実施する。自動車内装材は米連邦自動車安全基準(FMVSS)に対応した試験が可能。抱っこひもや棒状づえなど57品目で日本の製品安全協会の「SGマーク」認証試験が可能で、事務用椅子などは米国の家具規格「BIFMA」認証試験にも対応する。
東京、大阪、岡山のほか、中国の上海と広州、ベトナムのホーチミンの6拠点で試験を実施する。第三者試験機関としては日本最大級の試験設備を保有し、拠点ごとに特殊試験を用いた特徴的な試験を実施している。例えば大阪では大型チャンバー室に家具を実際に置いてホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)の検出が可能だ。試料を使ったガラスデシケーター法と異なり、実際の居住環境を想定した試験ができる。
そのほか、規格や法令に関する情報提供や試験開発提案、サンプルチェックなど品質管理支援業務や企画・開発サポート業務、セミナーや工場の試験室監査など教育サポート業務にも力を入れる。
新型コロナウイルス禍を契機に生活雑貨分野でも抗菌・抗ウイルスなど機能性試験の需要が高まった。こうしたニーズに繊維分野で培った技術力を投入し、試験体制拡充を進める。上海、広州、ホーチミンでの業務も拡充し、海外生産地での試験依頼や工場監査への対応力も高める。
同機構のもう一つの特徴に、研究開発を担う未来研究所がある。スマートテキスタイルの評価などの研究も進めており、今年から成果の一部をセミナーで紹介する試みも始まった。こうした最新の研究開発も今後の新たな事業領域の開拓につなげることが期待される。




