クラレクラフレックス/フィルター向け強化/メルトブロー不織布増設生かし

2022年03月23日 (水曜日)

 クラレクラフレックスは2022年度(12月期)、増設したメルトブロー不織布(MB)でフィルター素材の開発・拡販を強化するとともに、岡山工場に構える各種不織布の設備をフル活用し、より独自性を引き上げた原反の開発に力を入れる。

 同社はMBをクラレ西条(愛媛県西条市)において年産1800トン規模で生産していた。20年に岡山工場(岡山市)で900トンの増設を行ったため、生産規模は年産2700トンに拡大した。

 両工場のMB生産設備は現在、フル稼働している。マスク向けの販売に多少、陰りが見られるため、今後はマスク向けの供給責任を果たしながら需要増が見込めるフィルター素材の開発に力を入れる。

 これまでメルトブロー不織布を西条工場で生産してきた。今回の設備投資では岡山工場に新設備を導入しており、スパンレース不織布、スチームジェット不織布などとの複合品の開発を急ぎ、新規用途を掘り起こす。

 業務用ふきん「カウンタークロス」の販売は外食産業の低迷に伴い苦戦が続いている。20年に国際的な森林認証制度であるFSC認証を取得しており、環境、安全に対する感度の高い顧客にこの点をPRし、23年度で「19年度並み」(松尾信次社長)に回復させる。

 不織布販売では、自動車用吸音材にも注目している。既にガソリン車向けで長年取り組んできた実績がある。今後、新たに発生してくる電気自動車(EV)用吸音材の開発にこれまで蓄積してきた知見を反映させEV用吸音材の開発を目指す。