印繊維企業「ITF」で/小ロットの受注を歓迎/SDGsへの取り組みも

2022年03月31日 (木曜日)

 インドのアパレルとホームファッションの展示商談会「第9回インドトレンドフェア(ITF)2022」が、31日まで東京都立産業貿易センター浜松町館(港区)で開かれている。日印国際産業振興協会主催、インド政府繊維省共催。

 新型コロナウイルス禍で20年9月以降、開催を見合わせていたため、約1年半ぶりのリアル開催となった。60余りの有力企業が出展し、日本との取引拡大に力を入れる。

 同国の繊維産業は新型コロナ禍で厳しい状況が続くが、工場は徐々に通常の生産体制に戻りつつあり、現在は小ロットの受注を歓迎する企業も出てきた。ITFでも、ニット衣料製造のソナ・エンタープライズなど複数の出展者が、最小発注数量を設けない任意での受注をアピールしていた。ただ、「日本市場の回復が遅れているのか、商談に慎重」との声が聞かれた。

 SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも見られた。糸から製品まで一気通貫で手掛けるテクノクラフト・インダストリー・インディアは、「プロジェクト1000」を訴求。女性の経済的自立と持続可能な生活を目指し19年に立ち上げたもので、1日に千ルピー(約1600円)稼げるようにと名付けた。

 農村などに工房を構え、周辺に住む女性を雇用。生地の生産工程で出る端材を活用し、手編みのバッグやラグ、クッションカバーなどを作製してもらう。既に英国、米国、豪州へ輸出しており、ITFを機に日本市場の開拓を図る。

 インドの素材や伝統技法を取り入れた日本のブランド「キミコ サトウ バニラ トーキョー」も出展している。生産はインド。デザイナーの佐藤公巳子さんは、手刺しゅうなどインドのクラフト感を生かした婦人服、子供服を主体に、日本企業のOEMやインド企業の製品デザインも手掛ける。