CFRTPのパイロット設備稼働/三菱ケミカル

2022年04月04日 (月曜日)

 三菱ケミカルは熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料(CFRTP)のパイロット設備を新設し、このほど稼働させた。4月からサンプル出荷を始めた。

 自動車や航空機といったモビリティー用途では環境規制等を背景に車体・機体の軽量化への要求が高まっており、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が進むとみられている。

 一方で、CFRPの利用促進のためには、これまで主に利用されてきた熱硬化性樹脂によるCFRPに加え、成形時間を短縮できリサイクルも容易なCFRTPの普及が求められている。

 同社は空隙が少なく極めて高品質なCFRTPを高効率に製造できる技術を確立。パイロット設備で製造したCFRTPを熱可塑性樹脂複合材料のブランドである「カイロン」シリーズの新製品「カイロン・ウルトラ」として提案する。

 ベース樹脂では、各種スーパーエンプラに加え、同社が開発した植物由来原料によるバイオエンプラ「デュラビオ」にも対応し、顧客の要望に応じて提供する。