繊維ニュース

LIVING-BIZ vol.81(14)/モーブル/レンチング/ニトリ

2022年04月18日 (月曜日)

〈モーブル/廃棄米使用した中材開発/複合比率高め本格生産へ〉

 家具・寝具企画製造のモーブル(福岡県大川市)は、廃棄処分されている米を使った立体網状構造体の中材を開発した。サステイナビリティーな中材として、マットレスやインテリア製品へ展開する。

 同社が自社工場で生産する立体網状構造体の中材「ライトウェーブ」はこれまで、石油由来のポリエチレン100%使いだった。環境意識の高まりを受け、数年前からバイオマス素材を活用した製品の検討や試作を繰り返してきた。その中で国産バイオマス資源を利用したプラスチック樹脂原料を製造するバイオマスレジン南魚沼(新潟県南魚沼市)の「ライスレジン」に出会った。

 ライスレジンは、食用に適さない古米や米菓メーカーなどで発生する破砕米、飼料としても処理されない非食用米をアップサイクルした国産のバイオマスプラスチック。ライトウェーブ以上に緻密な温度管理などが必要だったが、ポリエチレンのライスレジンを複合した立体網状構造体「ライスウェーブ」を開発した。バージン品と同等の耐久性があるとする。

 ライスレジンを10%複合した中材が、ホテル「界霧島」(鹿児島県霧島市)の屋外休憩処のクッション材として採用されるなどニーズが広がりつつあり、今後生産を本格化する。

 ライスレジンの複合比率を上げるには課題もあるが、25%まで高めてソファーやマットレスの開発につなげ、一般小売りへも提案する考えだ。

〈レンチング/ハイパイルも「テンセル」/植物由来、生分解性を訴求〉

 近年、リビング製品やホームテキスタイル分野で植物由来原料への要望が高まっている。レンチングは再生セルロース繊維「テンセル」をリビング製品やホームテキスタイル分野にも積極的に提案する。

 同社は6月にドイツのフランクフルトで開催される国際ホームテキスタイル展示会「ハイムテキスタイル2022」に出展する。紹介するサンプルの一つが、日本の高野口産地で生産するHWMレーヨン「テンセル」モダールと生分解性ポリエステル使いハイパイル生地。

 近年、ハイパイル生地やファー生地から洗濯排水を通じて繊維くずが自然環境に流出し、特に合繊使いはマイクロプラスチックによる海洋汚染の原因の一つと考えられている。こうした問題に対して天然の木材を原料とし、生分解性も確認しているテンセルが優れたソリューションとなる。

 22日の「地球の日」に合わせて東京の代々木公園や宮下公園などで開催されるイベント「アースデイ東京2022」にも参加。23~24日に宮下公園で開かれる「アースデイ東京サステナブルファッションウィーク」にブース出展し、同社の植林プロジェクトなどを紹介する。

 また、ソニーグループが運営するライフスタイルコミュニティーメディア「MANEKU」のオリジナルタオル、篠原テキスタイル(広島県福山市)の製品ブランド「シノテックス」の靴下、モリリンが制作したインディゴブルーモダール使いエプロンなどテンセル使いアイテムも販売する。

〈ニトリ/「デコホーム」150店に〉

 ニトリは15日、デコホーム業態150店目となる「デコホームもりのみやキューズモールBASE店」(大阪市中央区)を開店した。

 デコホームはインテリア雑貨の店。日用品から部屋のアクセントになるアイテムまで、女性目線で開発・セレクトし、ニトリ同様手頃な価格で販売している。同業態誕生から11年で150店舗に増えた。

 この春、部屋に映える円形クッションや、ティータイムをグレードアップするプレートスタンド(799円)、ティーポット(999円)などを訴求。ニトリで人気の涼感寝具「Nクール」は、機能はそのままにデコホーム独自のデザインで展開している。肌ふとん2990円、敷パッド1990円、ピローパッド599円など。

〈ニトリHD/ニトリ事業も増収増益へ/IT新会社も設立〉

 ニトリホールディングス(HD)の2022年2月期連結決算は35期連続の増収増益だったが、これは経営統合した島忠事業の売り上げが寄与したため。既存のニトリ事業は減収・営業減益となった。

 ニトリ事業は店頭販売の苦戦(前期比7・0%減の5802億円)で減収。外出自粛や前期の巣ごもり需要一巡などが響いた。EC売上高は同1・5%増の716億円と健闘した。原材料や物流費の高騰により減益となった。

 ただし今期(23年3月期)は、ニトリ事業単独でも増収増益を見込む。決算期変更につき13カ月11日の変則決算となるが、12カ月ベースでも増収増益予想。安さを追求し客数を増やす施策とともに、国内外での出店加速、物流拠点再構築、島忠とのシナジー最大化、IT投資などで達成する。

 似鳥昭雄会長は「今年は消費も平常に戻るだろう。その中でシェアを取り既存店売上高を増やすには、今までにない商品を作り安く提供すること。その意味で今年はチャンス」と話した。

 カーテンやカーペットにも広げた商品生産の自社工場化に加え、原材料を直接調達するなどして、より一層の原価低減を進める。商品開発担当者を生産国に常駐させ、商品開発のスピードアップも図る。物流のコンテナ不足や出航遅れなどは、第3国経由などさまざまな手段を講じて対策する。

 出店は国内102店舗、海外41店舗を計画。デコホーム業態で独自商品比率を、売り上げ・品数とも現在の35%から60%に高めることで、ニトリ業態との差別化・共存を促す。海外では新たにマレーシア、シンガポールにも出店済み。韓国など未出店国ではEC事業を拡大する。中国事業は単年度黒字化を見込む。

 島忠事業ではホームセンター取扱商品のPB化を加速。現在の400SKU(在庫管理の最小単位)から1万6千SKUに広げる。ホームセンター商品売上高の3割に相当し、粗利改善が見込まれる。

 原材料調達から小売りまで網羅した“製造物流IT小売業”の確立・精度向上、グループのデジタル化促進のため、ITの新会社「ニトリデジタルベース」も設立した。

 これらにより、通期では売上高9636億円(18・7%増)、営業利益1506億円(8・9%増)、経常利益1530億円(7・9%増)、純利益1040億円(7・5%増)を目指す。