双日ファッション/改めて輸出拡大狙う/伊MUに初出展予定

2022年04月20日 (水曜日)

 生地商社の双日ファッション(大阪市中央区)は今期(2023年3月期)、改めて輸出拡大を狙う。拡大に向け、7月に開かれるイタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ」(MU)に初出展する予定。

 前期も輸出事業は伸びた。今期もこの流れを加速させる。そのため、MUのジャパンコーナーへのエントリーを初めて行った。新型コロナウイルス禍やウクライナ情勢によって開催自体が不透明だが、ここを一つの契機に欧州向け拡大を目指す。

 同社は以前、パリの服地見本市「テックス・ワールド」に数回出展したことがある。しかしなかなか実績には結び付かなかった。エージェントも交えた個別営業に切り替えて提案を続けていたが、MUの評判を聞き、出展する価値があると判断した。

 好調の中国向け、米国向けもさらに伸ばし、将来の市場としてASEAN向けも注視する。

 輸出拡大に向けて追求するのが、オリジナルの商品を小口、短納期で供給するという同社が従来から持つ機能。この機能を海外にも発信していく。その際はデジタル発信も強化する。

〈特需の反動で減収減益/22年3月期〉

 双日ファッションの22年3月期単体決算は、前期比減収減益だった。アパレル向け生地販売は伸びたが、新型コロナ特需の反動もあり切り売り向けが落ち込んだ。

 第1四半期は特需がほぼなくなった半面、アパレル向けが回復し、売り上げ、数量ともに伸びた。しかし第2四半期以降は再び市況が悪化し、通期では減収減益となり、出荷数量も減少した。

 上海法人を拠点とする中国市場向け生地販売は拡大した。ネット通販系などの衣料品市場自体が伸びていたことと、同社の小口、短納期機能が評価され、内販がさらに伸びた。

 輸出は中国向けのほか、米国向けも伸び、新型コロナ禍前の水準まで戻した。