三菱ケミカル 23春夏「ソアロン」婦人服地/フェミニン回帰を予想/2年ぶりにリアル展開催

2022年05月06日 (金曜日)

 三菱ケミカルは23春夏婦人服地のトレンドについて、お出掛け着へのニーズが回復するに伴い「少しずつフェミニンな方向に振れる」とみている。このため、トリアセテート「ソアロン」使いの「ソアトリュフ」や「ポアリー」「エイブ」などの提案に力を入れる。

 国内のトレンドはまだカジュアルが主流で天然繊維が求められているという。しかし欧米のマーケットでは、長繊維系の素材が浮上し、ソアロン使いのサテンやダブルサテンに対する引き合いが戻りつつある。

 このため、国内でもフェミニンとカジュアルとをミックスして着こなすコーディネートが増えると予想。その流れに沿った開発、企画提案に力を入れる。

 ソアトリュフは、極細ソアロンのダル糸と極細ポリエステルとの複合糸使い。パウダリーな表面感がある。ポアリーは、シルクのような膨らみ感、きめ細やかな艶、仕立て映えの良さが特徴。エイブは織物ライクなコンパクトニットだ。

 ここに来てサステイナブルへの要望が強まっているというブラックフォーマル向けには、ソアロンとリサイクルポリエステルを複合したエレガンス生地「ソアロンウィズエコルナ」を打ち出す。

 2年ぶりとなる春夏素材展を、5月12、13の両日、時事通信ホール(東京都中央区)で開き、これら生地を披露する。

〈環境負荷度の可視化プログラムが進化〉

 同社は20年9月に、ソアロンの品番ごとに環境負荷度を可視化するため、「ソアグリーン プログラム」を立ち上げた。そのバージョンアップに取り組み、このほど各品番のGHG排出量を想定できるようにした。

 品番ごとに異なる各工程のリソース(電力・燃料など)の標準条件での使用量を算出できるアルゴリズムの作成でGHG排出量の想定が可能になったという。既存品番だけでなく試作品でも評価ができるため、効率的改善のための工程設計や環境優位な素材を開発できるようになった。