帝人フロンティア/綿調の新商品を開発/3年後50万メートル計画

2022年05月27日 (金曜日)

 帝人フロンティアはスポーツ向けの新商品、綿調ポリエステル素材「ポリリズム」を開発した。23秋冬向けから国内外のアウトドアやアスレアパレルへの提案を始め、ユニフォームやカジュアルなどにも広げる。丸編みや経編み、織物などで、23年度5万メートル、25年度50万メートルの販売を狙う。

 ポリリズムは「高密度」「コンパクトな度詰め感」「ドレープ抑制による高シルエット」などが特徴で、新たに開発した異収縮2層構造糸を使っている。芯がカチオン可染高収縮糸、鞘がソフトな風合いを持つ低収縮糸の2層構造糸で、染色加工の際に芯の糸が50%以上縮む。芯部が大きく縮むことで長さ方向にランダムな糸構造となるほか、芯糸がランダムに露出して綿のような質感を実現する。この技術を応用し、再生セルロース調などの開発も検討する。

 カジュアルウエアの合繊化が進む中で質感の重要性が高まっていることが開発の背景。綿の天竺や鹿の子が使われるTシャツや裏毛のスエット、アウターなどのアイテムを狙う。23秋冬向けでは、綿花の高騰により綿が多いカジュアルなライフスタイル商品でもポリエステルへの要望が高まっていることも追い風になるとみる。

 同社は特殊ムラ延伸技術による「アスティ」などこれまでも天然繊維調のポリエステル素材を展開してきたが、ポリリズムではつり編み機による綿裏毛などこれまでポリエステルでは難しかった領域も狙えると言う。