ドゥフォワイエ/オーダーニット専門店オープン/店舗内にWG機

2022年06月01日 (水曜日)

 衣料品や服飾雑貨、靴の輸入、販売などを行うドゥフォワイエ(岡山市)は先月、ニット製品のオーダー専門の店「オートリコ」を開いた。店内に島精機製作所の「ホールガーメント」(WG)横編み機を設置。色やサイズなど、客の要望に合ったニット製品を提供する。

 同社は販売代行店などを同市内で7店舗展開している。その中で「商品を仕入れて売る以外の部分で、当社なりの付加価値を提供できないか」(ニット事業部責任者の高田健太さん)との思いから、同店舗のオープンに踏み出した。

 郊外も含めて物件を探していたが、偶然、同市中心部にある表町商店街の中に空き店舗を見つけて入店した。延床面積は約115平方メートル。1階にWG機を置くとともにサンプル品を陳列、2階にはプレス機や洗濯乾燥機、撮影スペースなどを設けた。店名のオートリコとは、フランス語で“高級な編み物”という意味だ。

 注文はパターンオーダーとなる。XSからXLまでのサイズを用意し、着丈と袖の長さを1センチ単位で調整できる。現在、糸の色は30色をそろえ、今後追加も予定する。WG機「MACH2XS153」を使って編み上げ、仕上げなど後工程を行った後に商品を引き渡す。注文から引き渡しまでは10日ほど。店舗と公式サイトで注文を受け付けている。

 商品はクルーネックセーターの長袖(2万2千円)と半袖(1万6500円)の2種類。着心地とドレープ感を重視した、ゆったりめのシルエットが特徴となる。米国産の海島綿(シーアイランドコットン)を使うなど素材にもこだわる。

 高田さんは「思っていた以上の反響。シルエットや肌触り、光沢感などを気に入ってもらっている」と話す。購入者は40~50代が多く、「既製品にはない色味を注文するケースが多い」と言う。商店街の中に店舗があり、ガラス張りの正面からWG機が見えているため、「道行く人から驚きの反応がある」。

 今後は8ゲージの製品を編むことのできるWGの導入を計画。ネットなどで若年層への発信も強める。高田さんは「衣料の大量生産、大量廃棄が問題になる中、衣類に対する価値観を変えるきっかけとなれるようなブランドにしていければ」と話す。