帝人フロンティア/23秋冬は柔軟な姿勢で/綿調の新素材も投入

2022年06月02日 (木曜日)

 帝人フロンティアは、23秋冬のスポーツウエア市場に新開発のスパン調ポリエステル生地「ポリリズム」などを投入する。顧客・市場ニーズに即した商品の打ち出しによって拡販を目指すが、ターゲットの転換を含めて柔軟な姿勢で臨むなど、利益拡大を重視した取り組みを進める。

 新開発のポリリズムは、コンパクトな“度詰め感”などの特徴を持つ。芯がカチオン可染高収縮糸、鞘がソフト風合いの低収縮糸の2層構造糸を使用し、染色加工の際に芯の糸が50%以上縮む。こうした工夫によって人気が高まっている綿の度詰め生地のような風合いを実現した。

 丸編み地での展開を中心に、ポリリズム加工糸100%のハイゲージニットをTシャツで、裏に「デルタ」を使ったダブルニットはスエットなどで提案する。ポリリズム加工糸を使用したトリコット生地や織物なども打ち出し、スポーツ用途のほか、ユニフォームやカジュアルにも用途を広げる。

 そのほか、23秋冬に向けては、汗に反応して編み目が開いて衣服内の蒸れなどを解消する「ファイバライブAC」、ハスの葉の撥水(はっすい)機構を繊維で再現した「レクタスST」、優れたストレッチ性が特徴の「フレキシング」、特殊構造が高反発性を生む「デルタフリーモ」などを提案する。

 スポーツ市場はアウトドアやゴルフ分野などを中心に全体として回復基調にあるが、原材料・原燃料価格高という逆風も吹く。価格への転嫁を進めるほか、エコロジー対応をはじめとする顧客の要望に応じることで販売拡大を図る。ターゲットとする用途・分野などについても柔軟に対応する。