シーアイランドクラブ/沖縄で海島綿を試験栽培/地元企業と共同で

2022年06月16日 (木曜日)

 シーアイランドクラブは、地域活性事業などを行うフードリボン(沖縄県大宜味村)と共同で、沖縄県北部の大宜味村と東村でシーアイランドコットン(海島綿)の試験栽培を始めた。海島綿は米国とカリブ地域でしか商業栽培されておらず、沖縄県が世界で3カ所目の栽培地になる可能性がある。

 種子と栽培を管理するシーアイランドクラブがフードリボンと試験栽培に関する契約を結び、西印度諸島海島綿協会の承認を得て決定した。今回は、海島綿の種子が沖縄県で実際に収穫できるのか、また収穫した綿花が海島綿にふさわしい品質を伴うかなどを確認する。このため作付け面積は500平方㍍と小規模で、わたの収穫量も10㌔程度。

 海島綿は、カリブ海地域に生育する超長綿。他の超長綿と比べても繊維長が長く、繊度の細さや光沢感にも優れている。超長綿の収穫量は綿花全体の2%以下といわれ、海島綿はその超長綿の中の0・01%しか収穫できない。品質はもちろん、希少性の高さも特徴の一つだ。

 現在海島綿の世界での収穫量はカリブ地域と米国を合わせて150㌧程度とされ、持続可能性が課題の一つになっている。カリブ地域ではジャマイカでの生産に限られているが、バルバドスなどでの栽培復活にも目が向けられている。