特集 ボディー&レッグファッション(5)/旭化成アドバンス/東洋紡せんい/シキボウ/セーレン
2022年06月29日 (水曜日)
〈旭化成アドバンス/生分解性エステル投入/環境配慮型を充実〉
旭化成アドバンスのインナー・レッグ事業部は環境配慮型素材を前面に打ち出し23春夏商戦に臨んでいる。
最近は「ユーザーからのサステイナブルに対するニーズが着実に高まってきており、具体的な企画にひも付いた要望が増えている」と言う。
23春夏に向けては、再生ポリエステルで商品化した吸汗速乾「テクノファインEF」、「ベンベルグ」による吸放湿・ソフトタッチ「メープルECO」を重点的に投入する。
環境配慮型素材の総称「エコセンサー」では、新たに生分解性ポリエステル「CELYS」やアセテート紡績糸「セルン」、PLA(ポリ乳酸)繊維を導入し商品ラインを増強している。
フェムテックのゾーンに対するアプローチにも力を入れており、吸水帯の開発に取り組んでいる。従来から広く使われている吸水帯は吸水後に乾きにくいといった課題があったという。
この点をベンベルグ100%の不織布「ベンリーゼ」と生分解性繊維との組み合わせで解消。「生地がすっと乾く」吸水帯の開発を急いでいる。
22年度の市況については、店頭での動きに明るい兆しが出始めたとみているものの、原料高や円安の影響などで「しばらくは厳しい状況が続く」との見立てだ。22年度は環境配慮型素材を中心とする販促を強化し拡販を目指す。
〈東洋紡せんい/オーガニックを前面に/産業資材開拓にも着手〉
東洋紡せんいのマテリアル事業部は、オーガニックコットン使いで開発した「爽快コット―O」や「デオドラン―O」を打ち出し、23年春夏商戦に臨んでいる。
前者は同社の特殊紡績技術で夏に求められる吸汗速乾性能、清涼感を両立させた独自素材。後者は汗や尿などのアルカリ成分を中和するPHコントロール機能、消臭機能が特徴の機能素材。
オーガニックコットンによるレーヨンとの混紡糸、モダールとの混紡糸など一連のオーガニックコットンシリーズ拡充にも取り組んでいる。
旧・東洋紡STCの繊維事業と東洋紡ユニプロダクツが統合して4月に東洋紡せんいのマテリアル事業部が発足した。
東洋紡ユニプロダクツの寝装事業が加わるため22年度の事業部売上高は約1・7倍に拡大するとみており、「少なくとも前年並みの利益を確保する」との意欲を示している。
新たに加わった寝装事業では、小売りやSPAへの企画提案を強化。さらに、「糸売りによる新規ビジネスを上乗せしていきたい」考えだ。
産業資材・非衣料領域の開拓を強化しており、綿を混ぜて全体を強化した繊維強化プラスチック(FRP)を5月11~13日にインテックス大阪で開催された「第2回〈関西〉サステナブルマテリアル展」に出展。同展には1万7771人が来場し、同社ブースには千人弱が訪れた。
〈シキボウ/フェムテック向け加工開発/消臭や防汚など打ち出す〉
シキボウは、女性特有の健康に関する問題の解決を目指すフェムテックに対応する消臭加工「フェミュー」と防汚加工「ノアード」を開発した。女性従業員によるフェムテックプロジェクトチームが企画・開発に携わり、検査機関とも連携して機能を評価・確認している。
消臭加工は通常、臭い成分を特定し、吸着・中和することで機能を発現させる。例えば汗の場合は、アンモニアや酢酸、イソ吉草酸が主な臭い成分だ。フェミューは、経血に含まれているトリメチルアミンやメチルメルカプタンなどの臭い成分についても吸着・中和できるように加工技術の改良を行っている。
経血には通常の血液には含まれていない成分が多く、粘性が高いため汚れが落ちにくいとされる。このため同社は既存の血液汚れ対応防汚加工を改良した。これによって生まれたのが新防汚加工のノアードだ。
これらの開発では、フェムテック関連の評価技術開発に力を入れているボーケン品質評価機構(ボーケン)と連携。経血の臭い成分の分析や試験方法の共同研究を進めている。
防汚加工では、ボーケンの人工経血を活用。防汚性の評価は通常の目視ではなく、蛍光反応方式を導入した。
敏感肌対応の「ラ・モルフェ」を加え、フェムテック対応加工として打ち出す。
〈セーレン/消臭アンダー一部刷新/着心地と汗対策を改良〉
セーレンは、着るだけで嫌な臭いをシャットダウンする消臭アンダーウエア「デオエスト」シリーズのフレンチスリーブ、ショーツをリニューアル販売した。滑らかなタッチの生地の採用や縫製方法の工夫で肌当たりを改良し、優しい着心地を付与した。
新フレンチスリーブは、腕まわりの形状を調整し、汗取りパッドが脇にフィットして汗染みや汗の臭いの悩みを解消する。汗取りパッド自体も厚みのあるタイプに変更しており、面積は約2倍に拡大。抗菌性能も向上している。
消臭ショーツは、伸縮性を高めると同時に、縫製の仕様や足回りの形状を見直すことではき心地の良さを高めた。しっかりとした素材感で包み込むため、安心感もアップしていると言う。
デオエストシリーズは、ナノレベルの特殊なセラミックスと金属イオンを繊維に固着させ、臭いを素早く吸着・分解する。汗や足の臭い、生乾き臭など幅広い種類の臭気に対応する。
フェムテック関連では、吸水ショーツ「ハナヤカ」を作った。吸水力をはじめとする基本性能はもちろん、360度全方向に均一に伸びる独自生地と多段階着圧コントロール特殊加工によってスタイルアップ機能も付与している。デジタルプロダクションシステム「ビスコテックス」を駆使してデザイン性も高めた。




