LIVING-BIZ vol.84(12)/JBA/「第10回ITF」/ホップライオンジャパン/ウィズ

2022年07月15日 (金曜日)

〈JBA/羽毛産地認証で新ラベル/関連業界との連携事業も〉

 日本寝具寝装品協会(JBA)は今秋の商戦から、「羽毛原料・羽毛ふとんトレーサビリティ監査認証システム」(J―TAS)の消費者向け新ラベルを発行する。消費者の認知度向上に向け、現行の羽毛ふとん逢着ラベルとセットで展開する。

 小売店・ECサイト向け店頭動画、小売店担当者、EC担当者向け教育動画も作成した。今秋冬商戦で活用できるよう、7月をめどに配布する予定。新ラベル裏面には、簡易版の動画が見られるQRコードを印字している。

 「ふとん表示規定集」の改定では、罰則・違反行為の厳格化に加え、各種申請書類を見直した。申請者の手続き煩雑さを解消するため。不要と思われるものを廃止し、必要書類を整えた。

 同時に、寝具業界と親和性の高いクリーニング業界、介護業界と連携した新規事業の構築を図る。これらは6月の第9期定期総会で決めた。西川八一行会長は「生活者に確かな寝具をお届けするとともに、“眠りの道具としての寝具”という枠を超え、心豊かで健康な生活をサポートする取り組みを進めたい」と話した。

〈「第10回ITF」/SDGs推進企業も登場〉

 20~22日にベルサール渋谷ガーデン(東京都渋谷区)で開かれる「第10回インドトレンドフェア東京2022」(ITF)では、アパレルやホームファッションを製造する約150のインド企業が出展する。ナレンドラ・モディ首相主導で推進するSDGs(持続可能な開発目標)推進プロジェクトに取り組む企業も多い。

 その一つが、生地・アパレル製品製造大手、テクノクラフトの子会社であるプロジェクト1000社。SDGsの目標1「貧困をなくそう」に関して、貧しい農村の女性たちが1日に千㍓(約1700円)稼げるよう、トレーニングし雇用を促進する。

 2カ月ほどの研修(製品知識やデザイン、技術、品質管理など)を経て、バッグやラグ、クッションカバーなどのハンドメード製品を作る。製品の生地・糸は、テクノクラフトの生地製造工程で出る端切れを中心とした綿などの天然繊維。ポリエステルを使う場合もペットボトルのリサイクル原料を用いる。女性の経済的自立支援とアップサイクルの仕組みで、持続可能な社会の実現を目指す。

 既に英国、米国、豪州などへ輸出している。3月展に続く出展で、日本市場開拓に力を入れる。

〈ホップライオンジャパン/「アレルGプラス」加工羽毛好評〉

 羽毛・寝具卸売のホップライオンジャパン(東京都千代田区)では、人体に安全な高濃度天然ミネラル化合物「アレルGプラス」を蒸着加工した羽毛が好評だ。寝具や衣料品での取扱量が年々増えている。

 国内ではネット・テレビ通販、GMS、大手寝具製造卸との取り組みが深まり、海外ではダウンジャケットやスポーツアパレルの著名ブランドに継続して提供している。

 アレルGプラス加工を施した羽毛は、アレル物質(ダニのフンや死骸、花粉などアレルギーの原因物質)の低減、抗菌、消臭効果がある。同様の加工剤の多くは接触しているアレル物質しか吸着・無害化しないが、アレルGプラスは触れていないアレル物質まで引き寄せ吸着し無害化する。

 抗菌防臭、制菌のSEKマークを取得しており、繰り返し洗濯しても効果が長期間持続。薬剤自体はウイルスを99%以上低減することも確認された。安心・安全、清潔、衛生、快適な眠りと着心地を提供する。これらの特性を生かし、今後はハイグレードな市場に向けた展開を拡大していく。

〈ウィズ/医療・介護用に子羊毛皮/床ずれ防止で採用広がる〉

 介護用品製造卸・販売のウィズ(大阪府吹田市)は、子羊の毛皮(シープスキン)を使った医療・介護用品の販売に力を入れている。体圧分散や摩擦を軽減して床ずれを防ぐ点が支持され、同用品の年間売り上げが1億円を超える規模に成長した。

 創業した1989年からシープスキン使いの医療・介護用品を販売してきた。欧米では以前から医療・介護用途でシープスキンが使われているが、国内ではなじみが薄かったため、なかなか採用されなかった。しかし、改良を重ねた結果、床ずれ防止に優れたアイテムとして徐々に採用が広がってきた。

 同社の床ずれ防止用具シープスキン「ナーシングラッグ」は、豪州のメリノ種羊の生後3~5カ月未満で一度も毛刈りをしていない子羊(アンショーン・スプリングラム)を採用。原皮を輸入して国内で加工する。

 1平方センチ当たり5千本という高密度で弾力性に優れ、体重の圧迫を分散する。無数の点で支えることで毛細血管の血流を促す。床ずれの原因となる湿気の吸収にも優れる。家庭洗濯機で洗える。

 ベッドシーツや肘あて、車椅子用クッションなどアイテムの幅を広げている。介護保険レンタルに対応した表面がスープスキン使いのマットレスも新たに提案する。