ITF/品質重視で日本向け拡大/縫製能力を拡大する企業も

2022年07月21日 (木曜日)

 インドのアパレルとホームファッションの展示会商談会「第10回インドトレンドフェア東京2022」(ITF)が20日、東京都港区のベルサール渋谷ガーデンで開幕した。日印国交樹立70周年の節目とも重なり、過去最多の出展者を集めた。出展者の中からは日本市場向け拡大へ「品質を重視したい」との声が聞こえてきた。22日まで。

 ペイズリー・エキスポーツは日本向けが100%。織物製の婦人衣料を30年以上にわたって生産し、「安定した品質、200~300枚という小ロット対応が強み」と話す。CSR活動にも積極的だ。現在は30~40社と取引があり、今後さらに商売の拡大を狙うと強調した。

 ソマニ・ファブリックスも日本向けを主力とする企業。約300台のミシンを保有しているが、7割稼働に抑えていると言う。理由は「キャパシティーに余裕のある生産を行うことで品質を高めるため」。同社の評価は高く、日本のブランドとダブルネームでの販売も行われている。

 チア・サガールは、約800人の縫製スタッフが在籍し、ブラウス換算で月間約25万枚を生産。このうちの35%が日本向けで、セレクトショップなどを顧客とする。中国の都市封鎖などでインド生産の注目度が高まる中、2023年には縫製スタッフを1500~1600人に増やす。

 この日、インドアパレル輸出促進協議会(AEPC)のタマンナ・チャトルベディ事務局長らが会見し、同国アパレル製品の魅力についてプレゼンテーションを行った。綿やシルク、ジュート、各種化合繊の一大生産国であり、縫製まで全工程が存在。95%が国内生産のため納期短縮などにつながるとした。

 同時に水とエネルギーの節約、廃棄物の削減、汚染物質のゼロ化、洗浄サイクルの短縮化などを推進し、サステイナブル産業を目指している。