特集 スクールスポーツウエア(3)/スクールスポーツ事業 各社取り組み/来春も採用校獲得に動く/菅公学生服/明石SUC

2022年08月18日 (木曜日)

〈スポーツは増収見通し/カンコープレミアムけん引/菅公学生服〉

 菅公学生服はスクールスポーツで、今春の入学商戦で順調に受注を増やし、2022年7月期は増収を見込む。自社ブランドの「カンコープレミアム」がけん引。「リーボック」などライセンスブランドの販売も堅調に推移した。

 カンコープレミアムは大手素材メーカーと開発した生地「グランガード」の防風性や、コンパクトに収納できる軽量性など機能性に加え、上品なデザインが評価されている。営業本部の勝山裕太企画推進部スポーツ企画推進課長は「今春の同ブランドの販売点数は昨年の1・6倍になった」と話す。100校以上の新規採用校を獲得し、累計採用校は400校に届く勢いだ。

 リーボックではカムフラ柄や生地にエンボス加工を施した商品が好評で「実績が伸びてきた」。

 来入学商戦に向けては、自社ブランド、ライセンスブランドで新商品を拡充する。カンコープレミアムからは、高い保温性を持つ生地「モアヒート」を採用したウエアを新たに打ち出す。従来のグランガードは軽量性が強みだが「冬場に心もとないという声もあった」。

 この声に応え、軽量性を維持しつつも生地に肉厚感があり、保温性を持つモアヒートを開発。提案の幅を広げながら同ブランドを訴求する。

 シンプルなデザインが特徴のウエア「カンコーノームコア」からは、コンパクトに持ち運びできるポケッタブル仕様のウエアを追加。ライセンスブランドの「カンコー×ファイテン」では、ファイテンの独自技術のアクアチタンの効果を高めた「アスリートモデル」を提案する。立体裁断の「4Dカッティング」も取り入れており、スポーツ強豪校などをターゲットに販路を開拓する。

〈「デサント」など販売好調/来春に向け新商品投入/明石SUC〉

 明石スクールユニフォームカンパニー(SUC)のスクールスポーツ部は今春の入学商戦で、「デサント」ブランドや自社ブランドの「アスリッシュ」の販売が奏功し、今上半期(2022年1~6月)は増収を確保した。

 デサントは120~130校の新規採用を獲得。累計採用校は2150校ほどになった。

 アスリッシュも20校ほどの新規採用校を確保し、累計採用校は60~70校となった。同ブランドは通学など体育以外のシーンで着用されることも増えた。

 新型コロナウイルス禍で、洗濯が簡単な体操服での通学が拡大。冬季でも教室内の換気を定期的に行わなければならないことから、「防寒対策としてアスリッシュのパーカやスエットを着用するケースも出てきた」(前田健太郎営業本部スクールスポーツ部長)。

 上半期は運動会など、イベント需要の回復によって4、5月の売り上げが伸びた。九州や中国地方では水泳の授業も再開し、スクール水着の販売も増加した。人工知能(AI)による採寸は、今春は4千~5千人の生徒が活用。「学校からのリクエストが増えている」として、来春に向けても採用数を伸ばす。

 生産面では、国産比率が高かったことや、生産の前倒しが安定生産に寄与。新型コロナの影響を最小限に抑えられた。

 来入学商戦に向け、デサントからは新商品の「デサントネクサス」を打ち出す。シルエットを細身にしたり、マークを変えたりと、「過去のモデルをリバイバルした」。アスリッシュからも「アスリッシュ+(プラス)」を投入。ハイブリッド触媒「ティオティオプレミアム」加工を施したほか、配色を好みにカスタマイズできるようにするなど、機能を充実させた。