帝人フロンティア/廃棄衣料品のリサイクル目指す/ファイバーシーディーエムと組んで
2022年08月22日 (月曜日)
帝人フロンティアは中古衣料品のリユース、リサイクル事業を展開するファイバーシーディーエム(大阪府泉南市)と共同で古着の回収・選別と廃棄衣料品の効率的なリサイクルによるサーキュラーシステムを構築する。
ファイバーシーディーエムが持つ国内外の古着の幅広い回収ネットワークとリユース・リサイクルのための選別技術・知見に加え、帝人フロンティアが長年培ってきたポリエステルのリサイクル技術を活用し、廃棄衣料品から再生ポリエステル原料を創り出すためのリサイクルシステムを構築する。
国内では、年間約50万トンの衣料品がゴミとして出されており、そのうち再資源化されているのは約5%の2万4千トンに過ぎず、ほとんどが焼却・埋め立て処理されているという。
ファイバーシーディーエムは現在、年間約2億着(約5万トン)の古着を取り扱っており、古着のリテールショップを国内に展開するほか、アジアやアフリカ、中南米、欧州などのリユースマーケット向けに古着販売事業も展開している。
帝人フロンティアは1995年に再生ポリエステル「エコペット」の販売を開始。今年5月には着色されたポリエステル繊維を石油由来の原料と同等の品質に再生でき、環境負荷も低減した新しいケミカルリサイクル技術を開発している。
両社はパートナーシップ契約を結び、回収した廃棄衣料品からポリエステルによる衣料品を選別して効率的に再生原料を作りだす取り組みをスタートさせた。
今秋からファイバーシーディーエムが小売店などに回収ボックスを提供するなどの回収プロジェクトを開始する。2025年までに廃棄衣料品の選別と廃棄衣料品から再生ポリエステル原料生産の技術確立を目指す。将来はナイロンや綿、ウールなどによる廃棄衣料品もリサイクルできるようパートナー企業や国内外のコンソーシアムにアプローチする。