東レ/食品包装用「トレファン」開発/ガスバリア性3倍以上に

2022年09月07日 (水曜日)

 東レはこのほど食品包装用高ガスバリア性蒸着・二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン」を開発した。一般的なOPPフィルムに比べ3倍以上の高いバリア性を持つため、高いリサイクル適性を備えたポリプロピレン(PP)単一素材構成の高ガスバリア食品包装を可能とし、包装材料の製造・使用・再原料化のリサイクルループを拡大しCO2削減に貢献する。

 食品包装分野では、内容物の長期保存を可能とする高ガスバリア性フィルムの需要が世界的に拡大しているという。

 しかし、従来のパッケージはガスバリア性を担う蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとシーラントの無延伸PP(CPP)フィルムを積層した構造になっていて、使用後のリサイクルが困難という課題があった。

 トレファンはxEVコンデンサ用等で培ったOPPフィルムの構造制御技術に均質バリア層加工技術を組み合わせることで水蒸気透過率0・3(㌘/平方㍍/日)、酸素透過率0・3(cc/平方㍍/日)以下とガスバリア性を従来品比3倍以上に高めることに成功した。

 耐熱性を25℃以上高め120℃以上の加工温度に対応できるようになったため、ボイル・レトルト食品包装用途へも適用できる。