EV向けバッテリーボックスで受賞/TAT

2022年09月20日 (火曜日)

 帝人グループで自動車向け複合成形材料事業を展開するテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)はこのほど米国のプラスチック関連事業団体であるSPEが主催する「ACCEピープルズチョイスアワード」を受賞した。バッテリーの安全性向上と軽量化の実現に向けた革新性が高く評価された。

 ACCEは自動車向け複合成形材料に関連する革新的な技術に贈られる賞で、TATが開発した繊維強化プラスチック(FRP)と金属材料を組み合わせた電気自動車(EV)向けのコンポジット製バッテリーボックスが受賞した。

 このバッテリーボックスはFRPと金属材料を最適条件で組み合わせ成形したもので、カバーやトレーには複雑な形状に成形が可能なFRPを使用し、トレーを金属で補強。それぞれを成形した後に特許出願中の独自の接合・固定技術を用いて密封することで安全性を担保している。

 フレームは射出発泡と呼ばれる成形方法を用いることで、厚みと重量を低減し、優れた衝撃吸収性の両立を実現した。このバッテリーボックスをスチール製の従来品に比べ約15%軽くし、アルミ製の従来品よりも優れた耐熱性を持たせた。

 トレーを一体成形のデザインとすることで液漏れを防止するだけでなく、接着工程を削減できるため生産コストの低減にもつながる。