特集 アジアの繊維産業(13)/わが社のアジア戦略/東亜紡織/QTEC/ユニオン工業/ボーケン
2022年09月28日 (水曜日)
〈東亜紡織/ベトナム生産高度化/検品までの一貫体制目指す〉
東亜紡織は、ベトナムでの紳士服地生産を高度化させている。さらにカンボジアにも検品子会社のトーア紡〈カンボジア〉を設立し、ASEAN地域で検品までの一貫生産体制を目指す。
同社は中国に紳士服地製造の合弁会社、無錫東洲紡織と常熟東博紡織があり、ニット糸販売などの無錫東亜紡織も合わせて中国で充実した生産基盤を持つ。さらに近年はベトナム子会社のドンナム・ウーレン・テキスタイルでの生産を拡充してきた。
新型コロナウイルス禍によるサプライチェ―ン混乱や米中対立を背景に中国からの生産シフトも含めてASEAN地域での縫製需要が拡大している。こうした中、特にベトナムでの生地生産の優位性が高まる。現在、ドンナム・ウーレン・テキスタイルでの紳士服地生産は年間約1万反。今後はさらに紡績や染色整理加工で特徴を出した差別化商品の生産を拡大する。
カンボジア縫製も活況となっており、検品需要も増加している。このためトーア紡〈カンボジア〉の受注も徐々に本格化しつつある。ベトナムでの生地生産、カンボジアでの検品を組み合わせることでASEAN地域での紡織整理加工から検品までの一貫体制構築を目指す。
〈QTEC/中国はCSR監査充実/ベトナム、バングラも強み〉
日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、中国とベトナム、バングラデシュ、韓国に拠点を持つ。2022年度上半期(4~9月)は、中国でロックダウン(都市封鎖)の影響があったが、海外事業全体では昨年並みの売り上げで推移。今後は中国でCSR監査強化などを進める。
中国には上海、青島、南通、無錫、深圳に拠点がある。4、5月のロックダウンが響いたが、他省ではモノ作りが行われ、試験・検査依頼はある程度他の拠点に分散。バングラデシュは堅調で、ベトナムは昨年を上回る水準で推移する。
下半期以降は「引き続き顧客に寄り添い、しっかりと要望や声を聞いて対応する」と強調。さらに「為替や新型コロナウイルス禍で海外に渡航できない顧客もいるので現地からの情報発信やサポートに力」を入れる。
中国ではCSR監査を充実。上海可泰検験には監査スタッフが3人いるが、ニーズの多い拠点から順番に監査スタッフを配置する。南通では中国国家標準規格の対応を強化する。
ベトナムでは、制限物質リスト(RSL)試験といった分析試験や各種機能性試験など、ISOとJISの両方に対応できる強みを生かす。バングラデシュは、知名度を生かして継続成長を目指す。
〈ユニオン工業/アジアでの拡販に再注力/シューアッパー用に注目〉
ロナティ(イタリア)などの代理店を務めるユニオン工業(兵庫県尼崎市)は日本市場に加え、ベトナムやインドネシアなどアジアでの拡販を図る。
アジアでは、タイ、ベトナム、インドネシア、韓国に現地法人を置く。新型コロナウイルス禍前は販売台数で日本35%、海外65%の比率だったが、20年は新型コロナ禍の影響で海外での販売が制限された。21年になって欧米やアジアの市場が回復に向かった中、同社も改めて海外での拡販に乗り出している。
8月には、ベトナムで開催されたサイゴンテックスに参加した。ロナティ―グループの編み機6台を展示し、シングルシリンダー靴下編機の新機種「GE」シリーズなどが人気を集め、会期中だけで数百台の引き合いを得た。シューアッパー用への注目も高まり、ロナティのダブルジャージー・シューアッパー編み機「DC88XS」やサントーニのシングルジャージー・インターシャ「X―マシーン」が注目を集めた。
19年に現地法人を開設したインドネシアもGEシリーズを中心に堅調で、つま先自動リンキング「S by S」がブランドとして認知される韓国も引き合いが増えている。
〈ボーケン/顧客に寄り添うサービスを/カタログ用の家具撮影も〉
ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、アジア・ASEAN地域に拠点を持つ。拡大している海外市場向けの品質管理サービス・試験検査項目の新設・拡充、多様化する地域ニーズへの対応に力を入れるなど、顧客に寄り添った検査機関として存在感を示す。
2022年度上半期(4~9月)のアジア・ASEAN地域の状況は、インドネシアで試験需要が新型コロナウイルス禍前に戻りつつあり、ベトナムも家具や雑貨を中心に復調。中国は都市封鎖があったものの、華東地区(上海、常州、杭州)は前年よりも良いと言う。全体で見ても試験数は増加基調にある。
継続的な成長へ顧客の要望に積極対応を図る。海外市場向けでは、欧米向けを軸に品質に関する法規制の情報提供、表示アドバイス、品質評価試験などを実施。衣料品、インテリア、家具、雑貨などで海外規格の試験などに応じる。
多様化する地域ニーズでは、検品サービスや家具などでの商品撮影・試験動画サービスなどを展開。環境対応が求められる地域では、ペットボトル由来再生ポリエステルの定性サービスなどを行っている。人材育成では、納品前検査などが現地スタッフで完結できる体制を整える。




