帝人フロンティア/グローバルアパレルなど成長事業に/次期中計で生産能力増強も
2022年09月30日 (金曜日)
帝人フロンティアは、モビリティーとグローバルアパレル、インフラの3領域を軸に業容拡大を図る。2023年度(24年3月期)に始動する次期中期経営計画ではこの三つを成長事業に定め、「資本投下による生産能力の増強も検討」(平田恭成社長)する。次期中計では「基盤事業」「新事業」も設定し、それぞれで施策を進める。
23年3月期が最終の現中計について平田社長は「(計画は)新型コロナウイルス禍前に策定したので相当な“ジャンプアップ”を見込んでいた。想定通りにいかない部分もあるが実力は付いてきた」と強調。産業資材関連の増強や不採算事業の見直しも行うなど、「やるべきことはできた」と話した。
来年度に始動する次期中計では同社が展開する領域を成長事業、基盤事業、新事業に改めてくくり直す。このうち成長事業に定めているのが、モビリティーとグローバルアパレルと、土木や環境対応を含むインフラだ。インフラ関連ではポリエステル長・短繊維製造販売タイ子会社、テイジン・ポリエステル〈タイランド〉などの生産設備増強も検討する。
グローバルアパレルへの展開では、SPAやメガスポーツブランドなどとの取り組みを深める。ベトナムやタイ、中国・南通の拠点を生かし、糸・生地から縫製までの一貫提案を強化する。平田社長は、ミシン増設のほか、「良いパートナーが見つかれば出資もあり得る」との考えを示した。
日本国内向けの衣料品や一般産業用途は基盤事業に設定し、それぞれで重点取り組み先を決めてビジネスを展開する。種まきを行ってきたモーションセンシングや睡眠関連は新事業としており、次期中計で収益に貢献できるようしっかりと育成する。