帝人フロンティアのタイ子会社/工業繊維も堅調に回復/タイヤコードは増収増益で推移

2022年10月05日 (水曜日)

 世界的な半導体不足や中国でのロックダウン(都市封鎖)による部材供給停滞などでタイでの自動車生産台数も鈍化するなど不安要素がある中、帝人フロンティアのタイ子会社で工業繊維を担う各社は2022年度上半期(4~9月)、堅調に業績を回復させている。

 タイヤコード織物製造のテイジンFRAタイヤコード〈タイランド〉の22年度上半期業績は販売量が前年同期比15%増となり増収増益で着地したもよう。原燃料高騰など逆風もあったが、自助努力によるコストダウンと、期初からの値上げに取り組んだ。新商品の取引先最終認証取得と量販が計画通りに進んだことが業績に寄与している。新型コロナウイルス禍で慢性化していた人員不足も今年度に入ってからは解消に向かい、下半期からのさらなる増産への体制が整う。

 下半期も引き続き原燃料高騰や世界的な景気後退懸念など不確定予想が多く、商品や販売地域によって需要の変動があるが、素材・用途・出荷先を多様化することでリスク分散する戦略が成功している。引き続き取引先との連携を深め、的確にニーズをとらえることに取り組む。また、環境負荷低減に貢献する素材・加工技術の開発も積極的に進める。

 ベルト・ホース補強用コード製造販売のテイジンコード〈タイランド〉の22年度上半期業績は前年同期比ほぼ横ばいを確保した。工場稼働率も80%まで回復している。下半期も引き続き現在進めている新商品開発と拡販に力を入れる。

 課題となっている原燃料高騰に対しては、製造工程安定化、製品品位向上、生産ロス低減を推進し、コストダウンに取り組む。