明石SUC/今期290億円達成見通し/MC校からの受注増で

2022年10月06日 (木曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニー(SUC)は2022年12月期、目標としていた売上高290億円(前期284億円)の達成を見込む。今春、中学校を中心に進むブレザー化を背景に、モデルチェンジ(MC)校からの受注を増やした。来春に向けても、生産や営業の体制を強化しながら受注につなげる。河合秀文社長は「来期は売上高300億円も見えてきた」と話す。

 性的少数者(LGBTQ)へ配慮する流れで、中学校を中心に制服のブレザー化が進んでいる。これを追い風に受注を獲得し、今春の入学商戦で制服MC校の獲得が過去最高となった。

 来春に向け、生産体制を強化する。今春、学生服業界では新型コロナウイルスの感染拡大や外国人技能実習生が入国できなかったことなどの影響で生産がひっ迫した。ただ、同社は早くから新規協力工場を開拓していたことや生産の前倒しなどでその影響を最小限に抑えた。引き続き工場の開拓を進めるほか、原材料の手配など早めに動くことで安定した生産につなげる。

 物流拠点の宇部テクノパークアソートセンター(山口県宇部市)の敷地内へ今年4月に完成した新しい物流施設は8月ごろから本格稼働を始めている。同施設へは縫製の基幹工場、宇部工場の倉庫部分も移設した。工場の空いたスペースには検査や仕上げ、裁断スペースを新たに設け、年々強まる多品種小ロット化に対応できるように生産力をさらに高める。

 営業面では「都市部を押さえていく」(河合社長)。7月に横浜営業所(横浜市)を開設したことに加え、これまで賃貸だった豊橋営業所(愛知県豊橋市)を、建物を新築する形で移転し機能を拡充させた。

 デジタル化も推進。AI(人工知能)を使った採寸の採用校は、昨春の100校から今春は200校に増えた。柴田快三常務営業本部長は「来春も採用校は100校以上の見通しで、累計採用校は350校となりそうだ」と話す。