水素燃料電池で東急建設と実証実験/帝人
2022年10月24日 (月曜日)
帝人は東急建設(東京都渋谷区)との共同で水素燃料電池を工事現場における電源として活用する実証実験を実施する。東急建設が進める渋谷駅周辺開発の建設工事現場で2023年4月から開始する。
夜間工事では照明や警告板などの電気設備の利用のために電源が必要となるが、通電されていないケースが多く、一般的に軽油やガソリンを使用する発電機が使われる。
しかし、CO2排出や騒音、振動、臭気などの問題があり、周辺住民の生活に支障を来すことが課題となっていた。
燃料電池自動車用途を中心に水素を利活用する検討が進められているが、日本では同自動車の普及が不十分で水素ステーションの稼働の低いことも課題となっていた。
帝人は同電池の販売を21年2月から開始し、その普及に向けた活動にも取り組んでいる。東急建設は建設工事現場における発電時のCO2排出量を低減するため、早くから同電池の活用に着目し実用化を検討してきた。
今回、両社の方向性が合致し実証実験の共同実施の合意に至った。実証実験では帝人が国内販売する英国インテリジェントエナジーの同電池を使用する。
1台当たり約10キロと軽量・コンパクトで携帯性に優れており、軽油・ガソリン発電機に比べ静粛性能に優れる、廃棄物が発生しないのが特徴。