帝人フロンティア/多色展開など特徴の難燃生地開発/作業服用途で23秋冬物から
2022年10月26日 (水曜日)
帝人フロンティアは、モダクリルを使った衣服向け難燃生地を開発した。防炎性で日本防炎協会の基準を満たすほか、レーヨンとPTT繊維「ソロテックス」を組み合わせることで多色展開やソフトな風合い、環境対応を実現した。23秋冬物から一般作業服用途などで販売を開始する。
帝人グループは、メタ系アラミド繊維やモダクリルなどを衣料用難燃素材として展開。メタ系アラミド繊維は消防署員向け活動服・防火服用途や溶接作業服用途などに採用され、モダクリル(ポリエステル混)は消防団員向け活動服で使用されている。今回の新商品「CFR」(仮称)は火を扱う現場の作業服用途を想定して開発した。
モダクリル(50%)とレーヨン(25%)、ソロテックス(25%)の混紡率を最適化することで難燃性と易染色性、ソフトな風合いを付与し、撚り計数や番手も適正化を図っている。密度や目付、組織などにも工夫を施す。3者で使用する染料は異なるが、後染めで多色展開を可能にした。
防炎性や火炎伝ぱ性、強度などについては、「JIS―L―1091 A―4法」(表面着火)の加熱時間12秒で溶融または滴下しないといった基準をクリアしている。ソロテックスの複合比率を高めることで、難燃性能を維持しながら「エコマーク」(植物由来原料使用)にも対応する。
生地値は1メートル(150センチ幅)当たり1500~1600円で、同社が消防団員向け活動服用途で販売しているモダクリル・ポリエステル混生地と比べ15~20%抑えた。一般作業服に加え、アウトドア分野にも提案する。2023年度5万メートル、25年度10万メートルの販売を計画する。