伊藤忠PAL/対米輸出で大口成約/アジア市場でもパイプ拡大
2002年03月18日 (月曜日)
【香港16日=溝川彰】伊藤忠商事の香港テキスタイル・アパレル法人、プロミネントアパレル(略称PAL=堀田守社長)はこのほど、米国大手シャツメーカー向けに月間12万枚規模のドレスシャツ販売契約をまとめた。このほか大手スポーツメーカー向けにアジア・太平洋地域での商品供給契約を結ぶなど、欧米・アジアでの安定的な商権確保に向けて大きく前進した。
米国向けでまとまったドレスシャツはベトナム縫製で、5月から船積みを開始する。カジュアルシャツでも同様の商談を進めており、「継続・安定的な取り組みが期待できる」(堀田社長)としている。
また対米輸出では、大手SPA(製造小売業)や総合アパレル企業グループ向けにカタール、ヨルダン、ネパール縫製での取り組みが軌道に乗り、対米貿易の大幅な拡大を計画。一方、スポーツ分野でも有力企業のアジア・太平洋地域での販売で、中国の伊藤忠合弁事業である青島藤華紡織グループ、上海オンヨネなどの生産力を結び付け、商品供給する仕組みを確立した。
同社は昨年4月、別法人であるPAL米国会社内に香港PAL独自の駐在販売スタッフを複数置き、米社と共同ワークで新規販売先の確保に取り組んできた。この取り組みが実を結んだもので、来期は対米輸出の大幅な拡大を見込んでいる。
一方、日本向けでは伊藤忠本社と調整しながらPAL日本(東京・大阪=スタッフ13人)での独自販売と本社の補完業務を充実、スポーツウエアやセーターで実績を上げ始め、「収益面で一方の柱となってきた」(同)としている。
同社の今3月期取扱高は3億7000万米ドルで前期比10%減の見込みだが、税引前利益は28%増で過去最高となった。取り扱いのうちアパレルは2億5000万ドル。米国向けはテキスタイルを含め10%の構成比だった。