北陸ヤーンフェア2022レビュー サステ素材の進化(9)/染色での環境負荷低減
2022年10月31日 (月曜日)
染色工程の環境負荷低減につながる繊維加工剤の提案が進められた。日華化学は、染工場の工程合理化や環境負荷低減につながる「スマートダイイングプロセス」を紹介した。前処理から仕上げまで繊維加工剤を幅広く展開する特徴を生かし、各染工場の特徴に合わせた提案を行うもので、水使用量やCO2排出量削減につながる取り組みとしても注目されている。
高松油脂(大阪市中央区)は主力の吸水・SR剤を改めて訴求した。泥汚れや皮脂汚れなど使用シーンに特化したタイプをそろえており、スポーツやユニフォームなどの用途で伸びている。サトウキビ由来のスクワランを使った加工剤やキトサンによる抗菌剤など天然成分由来の加工剤も注目された。
ボーケン品質評価機構は、花粉・ダニ等由来タンパク質の低減活性評価試験や生分解性評価試験などを紹介した。サステナブルアパレル連合(SAC)の認定教育機関としての教育支援や有害物質排出ゼログループ(ZDHC)の認定ラボとして工場排水分析など企業のサステイナビリティー実現を支援する取り組みも関心を集めた。
染色機械では新たな技術が披露された。初出展の上野山機工(京都市)は伊藤忠マシンテクノスと共同ブースを構え、糸用のデジタル染色システム「TS―1800」を紹介した。世界最大級のミシン糸メーカーであるコーツも出資するトゥワイン(イスラエル)製の機械で、上野山機工が日本の販売代理店を務める。
TS―1800は、ポリエステル糸を、水を使用せずに必要な時に必要な長さだけ染めることができる。生産量は1時間当たり最大1800㍍。オペレーターは染色の予備知識が不要で、糸の送り出しや張力も自動制御。
分散染料による専用インクを使用する。単色だけでなく、グラデーションなども可能。今回展では色が変化する糸や、その糸を使った靴下なども紹介した。欧州を中心に採用され始めており、日本ではサンプル作成用や、見本帳に収録していても荷動きが少ない色糸用などで採用を目指す。
福井大学発のベンチャー企業であるサステナテック(福井市)は、超臨界二酸化炭素流体染色技術を紹介した。今年は福井大学などと共に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプログラムに採択され、精練から染色、機能加工までの全てを無水でできる機械の開発に取り組んでいる。染色容量の大型化にも取り組み、将来的には2千㍑の実用機の開発を目指していると言う。




