4~9月期決算/東洋紡/クラボウ/ミズノ
2022年11月11日 (金曜日)
〈モビリティ事業は採算悪化/東洋紡〉
東洋紡の2022年4~9月期決算は売上高2011億円(前年同期比9・4%増)、営業利益78億8500万円(53・9%減)、経常利益67億6千万円(49・2%減)、純利益109億円(13・0%増)だった。
モビリティ事業は売上高241億円(12・0%増)、営業損失20億1900万円(前年同期は8億6700万円の損失)だった。エアバッグ基布は販売が増加したものの円安と原燃料高騰で採算が悪化した。
生活・環境事業は売上高645億円(18・1%増)、営業利益12億1500万円(35・1%減)だった。不織布は自動車減産、クッション材は中国のゼロコロナ政策の影響を受け、原燃料高騰と価格転嫁の遅れから苦戦した。高機能ファイバーは「ザイロン」が自転車タイヤや建材用途で堅調だった。
通期は連結売上高4100億円(9・1%増)、営業利益170億円(40・2%減)、経常利益140億円(39・4%減)、純利益120億円(6・7%減)を見込む。
〈繊維事業が大幅増収で黒字化/クラボウ〉
クラボウの連結決算は、売上高720億円(前年同期比20・0%)、営業利益34億500万円(11・4%増)、経常利益46億4700万円(26・9%増)、純利益32億6400万円(37・1%増)だった。繊維事業が売上高279億円(45・4%)と大幅な増収になるとともに、営業損益が3億6500万円の黒字(前期は4億900万円の赤字)になり、収益改善が進んだ。
繊維事業では糸、テキスタイル、繊維製品とも販売が拡大。特に繊維製品はカジュアル衣料の受注が増え、売り上げを大きく伸ばした。
通期は上方修正し、連結売上高1530億円(15・7%増)、営業利益74億円(1・7%減)、経常利益87億円(1・0%減)、純利益60億円(7・1%増)を見込む。繊維事業は売上高551億円、営業利益4億円を予想する。
〈全てで過去最高更新/ミズノ〉
ミズノの連結決算は売上高992億円(前年同期比16・6%増)、営業利益81億4000万円(46・1%増)、経常利益85億4500万円(45・9%増)、純利益64億2900万円(50・1%増)の増収大幅増益となり四つの指標で過去最高業績を更新した(短信既報)。
当期は売上総利益率を前期の42%から40・6%に低下させたものの、増収、販管費比率の低減で大幅営業増益を達成した。
ゴルフクラブがグローバルで好調だった。リージョン別では、日本、米州、欧州、アジア・オセアニアの全てが増収。プロダクト別では、フットウエア、アパレル、イクイップメント、サービス・その他の全てが増収だった。
ワークビジネスでの取引先が700社を突破するなど当期も順調に拡大しており、年商を現状の100億円弱から25年度には170億円に引き上げる。
原材料費高騰に伴うコストアップを転嫁するための値上げを検討しており、「新製品の発売時にコストに見合った新価格に設定する」(水野明人社長)。
23年3月期では売上高1950億円、営業・経常利益115億円、純利益85億円を見込んでおり、期末配当を25円から30円に増配する。