別冊ユニフォーム総合特集(18)/クラボウ/モリリン/シキボウ/ユニチカトレーディング

2022年11月15日 (火曜日)

〈クラボウ/“融合”で環境対応を強力支援〉

 クラボウは、エコロジーとテクノロジーの融合によって環境負荷の低減や、働く現場が抱える課題解決につながるユニフォーム素材の発信を強めている。

 最近、ユニフォームメーカーへの採用が増えているのがポリエステル・綿混ハイパワーストレッチ生地「バンジーテック」と、綿100%のストレッチ生地「バンジーコットン」。これらはフッ素フリー耐久撥水(はっすい)加工「シャットレイン」や、天然由来のパーム油成分を使用した撥水加工「グリーンドッツ」と組み合わせて提案することもできる。

 さらに製造工程から環境負荷の取り組みを推進する徳島工場(徳島県阿南市)を通じて多面的に環境配慮に対応できる体制を敷く。企業納入向けで環境対応が欠かせない要素になる中、ユニフォームメーカーの環境対応への発信を強力に支援できる。さらに徳島工場では色管理技術「EYE―D」(アイディー)も確立させ、目視に近い色データ化を進めることで、アパレルメーカーの色管理の労力低減につなげる。

 電気・電子技術分野の国際規格であるIEC(国際電気標準会議)に対応した高制電素材「エレアース」ではストレッチ素材を投入。さまざまな分野の製造業で電子デバイスを取り扱う頻度が高まっており、今後ニーズが高まるとみている。

〈モリリン/着心地・機能の優位性を明確に〉

 モリリン繊維資材グループ(G)は、着心地や機能の優位性を明確に示した「エヴァーナイス」を軸に訴求する。

 “ナイスな状態がずっと続く”をコンセプトにブランディングを進める。ポリエステル主体の原料を用い、四つのテーマで肌触りの良さや快適な性能を分類。高付加価値の素材を展開している。

 四つのシリーズはそれぞれ「デオ」「エアー」「シェル」「エディ」と名前が付く。エヴァーナイス・デオは消臭フィラメント糸「デオセル」使用のニット生地。合成繊維製の生地に付与しにくい、高次元の消臭性を持たせる。

 エヴァーナイス・エアーは高い伸縮性を持ち合わせた軽量な織物生地。衣服内の湿気を調節する特性に優れており、サラサラとした肌触りを特徴とする。エヴァーナイス・シェルは透湿性と防水性を持ち、薄くてしなやかに伸縮する。主にウインドブレーカーなどに使用例が多いと言う。

 飲食店やサービス向けにも必需な“黒パンツ専用生地”として打ち出すエヴァーナイス・エディは原着技術の特性を生かす。色落ちや色褪せがなく、心地よい風合いと伸縮性を兼ね備える。

 山田敏博取締役・繊維資材G統括部長は「独自の生産背景で、一貫して素材開発ができる強みを最大限に生かす」と語る。ほかにも、綿生地のようなタッチを再現したポリエステル生地「ハイブリッドコット」も手掛ける。

〈シキボウ/生分解性とフェアトレード〉

 シキボウは、ユニチカトレーディング(UTC)と共同展開する生分解性ポリエステル繊維「ビオグランデ」、豊田通商、信友と取り組むフェアトレードコットンによる綿糸「コットン∞」(コットンエイト)を使った生地をユニフォーム用途にも重点提案する。

 ユニフォーム分野でもサステイナビリティーへの要請が一段と高まる中、ユニフォーム地に使用するポリエステルをレギュラー品からビオグランデに切り替える提案を進めており、良好な反応も得ている。

 コットンエイトも使用するフェアトレード綿花の混率が8%のため、大幅なコストアップにはならない。これを生かし、ユニフォーム分野での普及を目指す。リサイクル関連では子会社の新内外綿と通り組む廃棄繊維アップサイクルシステム「彩生」もユニフォーム分野で注目が高い。

 ワークウエア用途でニーズが高まるストレッチ素材に関してもUTCとの連携を生かす。UTCの機能合繊を活用した共同開発品の提案を進める。今年1月に台湾子会社も設立した。トリコットや織物の生産・調達拠点として台湾の活用に取り組む。

〈ユニチカトレーディング/さまざまなシーンへ環境配慮型〉

 ユニチカトレーディングは、ユニフォーム向けに環境配慮型素材「サステナブル・エコフレンドリーマーク」を軸に販路開拓を進めている。新型コロナウイルス禍でライフスタイルが変わり、ユニフォームの着用機会も変化する中、さまざまなシーンに沿った機能や、環境に配慮した生地の提案を強める。

 ユニフォーム向けにロングセラーの特殊複重層糸「パルパー」では、芯に再生ポリエステル使ったものを「パルパーエコ」として提案。ストレッチを軸に機能性だけでなく、ドビーやバーズアイなど特徴のある生地の表面感によって見た目でも製品の差別化に貢献できる。

 「ノーブリィ」は太陽光蓄熱保温繊維「サーモトロン」と黒原着、レギュラーのポリエステル繊維の3素材複合の杢(もく)調素材。染色を施さなくても黒、グレー、白の杢調の表現ができ、染色工程の水やエネルギー使用量を抑える。

 スポーツ向けに販売が堅調な吸放湿素材「ハイグラ」の秋冬バージョン「ハイグラ・ウォーム」もユニフォーム向けに訴求。高い吸水能力によってべとつきや蒸れ感を軽減する。ユニフォーム向けとしては高価格帯だが、円安で低価格帯のモノ作りがしにくい中、逆に「差別化素材を販売できるチャンス」(原隆浩ユニフォーム営業部長)として、今後はスポーツ向け素材も積極的にユニフォーム用途へ提案する。