帝人フロンティア/簡易型止水シート開発/玄関ドアからの浸水防ぐ

2022年11月17日 (木曜日)

 帝人フロンティアはこのほど、玄関ドアからの浸水を防ぐ一般住宅用簡易型止水シート「とめっぱ」を開発した。15日、京都大学防災研究所流域災害研究センター宇治川オープンラボラトリー第2実験棟(京都市)で、デモンストレーションを開いた。同日から「マクアケ」でクラウドファンディングを開始。その後、インターネット通販やホームセンターなどに販路を拡大し、2023年度5千万円、25年度1億円の売り上げを目指す。

 とめっぱは大人1人で5~10分で簡単に設置できるのが特徴。玄関ドアの両側にステンレス製支柱を粘着テープで取り付け専用の止水シート(ポリ塩化ビニル製)を挟み込みネジで固定し、下側に押圧機能を持つ支柱を設置して床に押さえつけるだけで済む。

 止水性能は高さ50センチの浸水(水圧約100キロ相当)で漏水量を1時間当たり1・024リットル/1平方メートル(JIS A 4716 Ws―5に相当)に抑える。梱包(こんぽう)は親子扉が長さ約140センチ×幅約10センチ×高さ約10センチ(シングル扉用は長さ約105センチ)でコンパクト。重量も親子扉用が約7・8キロ、シングル扉用約6・6キロと土のうに比べて軽量で取り扱いしやすい。

 止水シートは1回使用のみのため取り換え用(各種備品付き)も販売する。親子扉用5千円、シングル扉用4500円。

 大雨や短時間豪雨による住宅への浸水被害が問題となっているが、一般的に使う止水板は施工が必要で高価格。土のうは1袋約20キロと重く、止水性が低いなどの問題があった。その解消を目指したが、止水性の確保などから開発には2年ほどかかった。今後は玄関ドア以外への応用や漂流物から止水シートを守る防護ネットの開発も検討する。