帝人フロンティア/ユニフォーム素材の需要拡大に対応/23秋冬衣料展

2022年11月29日 (火曜日)

 帝人フロンティアは12月2日まで、23秋冬衣料展を都内で開催している。ファッション分野でユニフォーム・スポーツ素材の需要が高まっていることから機能、用途面での訴求を強化するほか、「差別化ポリエステル糸」を使用したB2B製品の提案などを進める。

 ユニフォームの中でもワークウエア用は、ストレッチ性や耐久性といった機能面に加え、環境配慮素材を活用した生地が多い。そのため、日常着などの分野でもベースの素材として取り入れ、加工やデザイン性を加味して製品化するケースが増えていると言う。同社ではストレッチ性が特徴の「フレキシング」、軽量で快適性を高めた「エルゴライト」、植物由来原料を一部使用した「プラントペット」などをラインアップし、販売に注力する。

 スポーツ用素材では、マイクロプラスチック対策として、洗濯時に抜け落ちる繊維くずが少ない「デルタTL」や「デルタフリーモ」「サーモフライ」などを起毛素材の代替えとして訴求する。

 「他にない質感で概念を覆す」とするポリエステルセーターの戦略商品を23秋冬向けに投入予定。糸、生地だけの販売はせずに、縫製まで自社で行う製品オペレーションによってB2B展開を図る。将来的には、ポリエステルの特性を生かしながらウールなどと交ぜ合わせた素材の開発も視野に入れていきたいとする。

 カジュアルテイストの機能性丸編み素材向けでは、ソロテックスなどの機能性ポリエステル長繊維とコットン糸との交編や、同短繊維とコットンとの混紡糸を軸に提案していく。

 このほか、ファッション向け新素材などを紹介。中空構造の8フィン型断面PTT短繊維の「ソロテックス八葉綿」は、吸汗速乾、軽量でありながら、かさ高と高弾性を備え、羽毛代替素材としてニーズを探る。衣料、寝装分野向けに、早ければ23秋冬衣料から展開予定。暑さ対策の機能素材「GR」(仮称)は、特殊セラミックを生地・不織布に加工することで熱線遮蔽(しゃへい)効果を高めることができる。投入時期は未定だが、ジャケットや帽子、カーテンなどでの展開を想定する。