帝人フロンティア/環境対応型スエード調生地開発/非起毛でソフト風合い実現

2022年12月07日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、環境対応型スエード調生地「ポリリズムSD」を開発した。異収縮2層構造糸をベースに、編み地設計や適正な染色加工を組み合わせて立毛風合いを実現した。再生ポリエステルを使うほか、非起毛のためマイクロプラスチックの発生を抑える。スポーツ用途で提案を始め、他の衣料用途や資材分野にも展開を広げる。

 沸水収縮率が50%以上というカチオン可染高収縮糸を芯部に、細繊度の超ハイマルチ非捲縮(けんしゅく)糸を鞘部に配した糸を開発した。この糸を使ってハイゲージ(36、46、60ゲージ)丸編み機で高密度に生地を編成し、適正な条件下で熱処理(染色加工)を加えることでスエード調の風合いを付与した。

 起毛を施したようなレーヨンライクのソフト触感のほか、超高密度による織物調の高級な質感を持つ。芯部のカチオン可染と鞘部の通常ポリエステルとの異色性によるシャンブレー調や深色外観も特徴だ。速乾性や抗ピリング性、抗スナッギング性、防風性、撥水(はっすい)性なども兼ね備える。

 11月にドイツで開かれたスポーツ用品展示会「ISPOミュンヘン2022」に出展し、高い評価を得た。24春夏向けから国内外のアウトドアやアスレ分野に提案し、2023年度5万メートル、25年度25万メートルの販売を目指す。経編みや織物の開発も行い、ユニフォーム用途やカジュアル衣料、資材用途でも訴求する。

 ポリリズムSDは、8日まで東京都中央区のプラザマームで開催中の「24春夏スポーツウェア素材個別商談会」で紹介している。商談会では、コットン調ポリエステル「ポリリズム」やストレッチの「フレキシング」など、環境対応型を軸に、新質感や合繊ならではの機能性を付与した生地をそろえる。