帝人フロンティア/カーテン端材不織布の用途開拓/キャンプやマットレス分野へ
2022年12月08日 (木曜日)
帝人フロンティアは、カーテンの製造工程で出る端材を使った縦型不織布の用途を広げる。現状は、自動車の吸音材としての展開が約9割を占めているが、圧力分散性などの特性を生かして、キャンプ・アウトドア用品やマットレス、インテリア関連分野などに訴求する。
カーテンの製造工程で発生する端材は、通常は廃棄されているが、これを有効活用した。端材を機械的に開繊(反毛)することで短繊維に再生する。「リサイクル短繊維は物性などが低下傾向にあるが、不織布構成で調質した」としている。顧客の要望に応じた加工が可能だ。
繊維を垂直に配向する縦型不織布とすることで、圧力分散性やかさ高性、通気性、易成型加工性といった特徴を付与することができる。不織布製造時に低融点バインダー繊維を使用するため、70%程度がリサイクルした繊維となる。反毛わたの使用率に限ると全体の50%と言う。
価格は、「自動車用途など、数量によって価格が抑えられるという要因を除けば」、同社が販売している通常の縦型不織布と同水準。ボルダリング時の落下ダメージを軽減するクライミングマットなど、さまざまな用途での展開を模索している。