特集 スクールスポーツウエア(6)/ミズノ/トンボ

2022年12月09日 (金曜日)

〈ミズノ/前年よりも回復傾向/細身のシルエット強調〉

 ミズノは新型コロナウイルス禍による海外拠点でのロックダウン(都市封鎖)によって生産に遅延が発生していたが、既に解消に向かっていると言う。

 2022年度は新型コロナ禍に伴う行動制限などが徐々に解除され人流が戻りつつあるため、「当社の販売実績も前年より回復傾向にある」。

 同社はスポーツで長年、培ってきた技術やノウハウをスクールビジネスに落とし込めるところを自社の強みに位置付けている。

 少子化に歯止めがかからない中、今後は価格、品質、ブランドなどで「学校が求めるニーズが分かれてくる」と見通す。

 最近のトレンドについては、「細身のシルエットが好まれる」傾向にあり、昇華プリントへの人気が引き続き継続していると分析する。

 最近は学校からのSDGs(持続可能な開発目標)や環境に配慮した商品、取り組みへの問い合わせが増えていると言い、同社も「環境に配慮した素材による商品の準備を進めている」。

 23春夏に向けては、ポロシャツをイチ押し企画に位置付けている。通学時の熱中症対策として、裾バインダー仕様を採用することでだらしなく見えないような構造に設計した。

 吸汗速乾性と防透性を両立させた素材でインナーウエアが透けにくい工夫を施した。ボタンダウンタイプの販売を先行させており、23年度から通常襟タイプもラインアップする。

〈トンボ 1129デザインコンクール最優秀賞/本気のジェンダーレス制服〉

 トンボは11月29日の“いい服の日”に、第13回「トンボ1129デザインコンクール」の受賞作品を特設サイトで発表した。応募点数は過去最多となった昨年の1万9147点を上回る2万878点。神戸市立住吉中学校2年の金村柚依さんの「本気のジェンダーレス制服(合服・冬服)」が制服デザイン部門の最優秀賞に輝いた。

 金村さんの作品は、ジャケットのファスナーを上げるとスタンドカラーになるほか、パンツの丈を短くしてもおしゃれに着こなせるようにするなど、さまざまなアイデアが盛り込まれている。時代のニーズを考えたコンセプトとデザインの構成力といった点が評価された。

 体育着デザイン部門の最優秀賞作品は岡崎市立城北中学校3年の佐藤未來さんの「安全性バッチリなレスキュー運動着」。消防士を思わせる印象的なデザインが特徴で、機能性にもこだわった。

 いい服の日は2007年から推進。今回はデザイン部門(制服6679点、体育着1272点)、プリント部門(1万496点)、アイデア部門(2431点)から最優秀賞、優秀賞、入選作品、学校賞を選んだ。