帝人フロンティア/海外スポーツ好調/エコ+機能がけん引
2022年12月20日 (火曜日)
帝人フロンティアの衣料素材本部は今期(2023年3月期)、海外のスポーツ用途が好調で、原糸販売も回復している。グループ会社の稼働も順調に推移する。
輸出のテキスタイル第一部はグローバルアパレル向けのスポーツ用途が好調で、今期は当初計画を大きく上回る見通し。主力のニットがサステイナブル商材を中心に伸びており、今後は織物の拡大にも注力する。
国内のスポーツやユニフォーム、裏地などを展開するテキスタイル第二部は、コスト上昇の影響で増収減益となる見通し。今後は部内連携を強化していく方針で、スポーツ用ニットの強みをユニフォームに生かすなど各用途の強みを融合した開発に注力する。
北陸向けを柱とする原糸販売は新型コロナウイルス禍前の水準に戻った。エコをベースにした機能糸、差別化糸がけん引役。
グループ会社の帝人フロンティアニッティング(石川県小松市)はニット、加工糸ともフル稼働となっている。ニットは自動車用途の回復が鈍いものの、グローバルアパレル向けが順調に推移。スポーツ・アウトドアを中心に顧客が広がったことや丸編み機(46ゲージ)の増設などが寄与した。加工糸は受注が順調な中、人手不足で稼働が上がり切らない時期があったが、9月ごろから改善に向かい、10~11月は利益も回復した。
織布のフロンティアテックス(福井県坂井市)は、海外のスポーツ・アウトドアやカイト用、ユニフォーム、国内スポーツとも堅調で、フル稼働が続く。
今後はグループ会社以外との連携も強化する。ユニフォームやスポーツ・アウトドアなどさまざまな分野で北陸企業との取り組みを増やす。
帝人フロンティアDG(新潟県見附市)は、順調に稼働するが、利益はコスト上昇の影響を受けている。現在はユニフォーム用が主力だが、今後はファッションなども増やす。産地連携も強化する。横の連携による開発のほか、物流コスト上昇の対策としても新潟県内で完結する形を増やす。