ダイワボウレーヨン/レーヨン短繊維を値上げ/パルプ、薬剤価格が高騰
2023年01月23日 (月曜日)
ダイワボウレーヨンは、レーヨン短繊維を4月1日出荷分から値上げする。値上げ幅は現行価格から15%以上。主原料である溶解パルプの価格が大幅に引き上げられたことに加え、製造工程で使用するカセイソーダや硫酸など薬剤価格も高騰したことで採算が極度に悪化している。このままでは今後の事業継続に支障を来しかねないと判断した。
溶解パルプはウクライナ紛争による原燃料高騰を背景に昨年から断続的な値上げが続いており、昨年5月の値上げからは原燃料費の上昇を反映させるサーチャージ方式が導入された。1月から国産パルプは再度の値上げが行われ、その際にはサーチャージ分を除く基本価格も引き上げられた。
カセイソーダも電解設備で製造するため製造コストに占める電力などエネルギーコストの割合が高い。このため昨年は2回にわたって価格が引き上げられた。さらに今年4月から再度の値上げが実施される見通しとなった。そのほか、硫酸の高騰も続いている。
溶解パルプ、カセイソーダ、硫酸いずれも大幅な価格上昇となったことでレーヨン短繊維の製造コストも大幅に上昇している。ダイワボウレーヨンは自助努力によるコスト吸収に努めてきたが、もはやその限界を超えたとして、値上げに踏み切る。
同社は一昨年12月と昨年8月にもレーヨン短繊維の値上げを実施しており、短期間での再値上げとなるが、このままでは今後の事業継続に支障を来す恐れがあることから、「値上げは苦渋の決断」と話す。今後の安定供給維持に向けて需要家に理解を求める。