帝人、福井経編興業など/医療材料の製造販売承認申請/23年度中の販売開始目指す

2023年03月28日 (火曜日)

 帝人は、大阪医科薬科大学、福井経編興業と共同開発を進めてきた「心・血管修復パッチ OFT―G1(開発コード)」について、子会社の帝人メディカルテクノロジーが製造販売承認申請を行ったと発表した。福井経編興業の繊維技術などを生かした医療材料で、2023年度中の市場投入を目指す。

 心・血管修復パッチOFT―G1は、吸収性の糸と非吸収性の糸によるニット状の組織に、吸収性の架橋ゼラチン膜によるコーティングを施したシートで、心臓血管手術材料として用いられる。大阪医科薬科大学のアイデアと福井経編興業の繊維技術の融合のほか、帝人の医療機器製造販売の経験も生かしている。

 従来の材料で起こっていた異物反応や石灰化などの問題が発生しにくいといった特徴があり、手術材料に起因する再手術リスクの低減が期待される。19年5月に臨床試験が始まったが、今年3月下旬時点で不具合や再手術は発生していないという。

 市販後は、手術症例の集積と解析による有効性と安全性の確立を図る。同時に海外への事業展開や要素技術を用いた新製品の開発にも取り組む。