帝人/ICP制度を改定/経営上のリスク対応
2023年04月04日 (火曜日)
帝人は、2021年1月に導入したインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の見直しを実施すると発表した。欧州を中心に世界各国で炭素税導入や税率引き上げなどが進んでいることを受け、今月から設定価格の引き上げを実施し、適用範囲も広げる。制度の見直しによってCO2排出の経営上のリスクなどに対応する。
ICP制度は、社内で炭素価格を設定し、これによってCO2排出量を費用として換算することで、排出量削減に対する経済的インセンティブを生み出し、社内の機構変動対策を促す仕組み。グループのCO2排出目標の引き上げのほか、CO2排出に関わるリスクが増加していることなどから改定が必要と判断した。
社内炭素価格は、これまでCO2を1トン当たり50ユーロとしていたが、100ユーロに引き上げた。適用範囲も自社CO2排出量については、従来の設備投資案件に加え、M&A(企業の合併・買収)などの投資案件、調達先変更による再生可能エネルギーへの転換などにも広げる。
炭素価格の引き上げで、CO2排出のリスク自体に対応する。また、帝人グループの活動に関連する他社のCO2排出量は、他社から購入する原材料に関して、リサイクル材やバイオマス由来などに切り替える設備投資に対しても適用。これによってサプライチェーン全体でCO2排出量削減を後押しする。
今回のICP制度改定をはじめ、帝人グループは、長期目標に掲げる50年度での自社CO2排出実質ゼロなどの実現に向けた取り組みを加速する。