コスモテキスタイル/輸出拡大に挑む/成長速度引き上げる
2023年04月10日 (月曜日)
生地商社のコスモテキスタイル(大阪市中央区)は、「世界的に生地の需要は高まっていくはず」(岡田泰紀社長)とし、中長期で輸出拡大を狙う。
同社の生地輸出は手芸・切り売り市場向けと、アパレル向けの2種類がある。米国のキルト関連の展示会に定期出展するなどで切り売り向け生地の輸出に取り組んできたが、新型コロナウイルス禍では苦戦を強いられた。この立て直しを図るとともに、アパレル向けでの拡大を志向する。
同社のアパレル向け生地販売事業は国内で近年好調な推移を見せており、輸出も「それほど大きな規模ではないが、着実に成長中」と言う。
この流れを加速させるため、欧米やアジアのアパレル関連展示会への出展を計画する。欧州では同業者も数多く出展するイタリアの「ミラノ・ウニカ」への参加を検討する。
〈3月期は増収減益〉
コスモテキスタイルの2023年3月期単体決算は前期比増収だった。切り売り向け生地販売は苦戦したものの、アパレル向け生地販売が伸びた。
切り売り向けの苦戦は市況の悪化が背景。コロナ禍では巣ごもり需要が活性化し、同社の業績にも寄与したが、この特需はほぼ消滅し、反動が出た格好だ。手芸人口の漸減や、ネットを介して安価な生地が個人間で売られている現象なども向かい風になっている。
アパレル向けは新興アパレルの小口需要を取り込んだ。企画提案力の高まりも拡大理由の一つに上げられる。
利益は減少したが、あらゆるコストが上昇する中で黒字は確保、「健闘はできた」とする。
今期もアパレル向けは拡大を狙うが、切り売り向けは市況低迷が続くと見て、全体として利益重視で臨む。




