スタイレム瀧定大阪/ネットとリアルの融合に注力/東京商談会で初の試み
2023年04月20日 (木曜日)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、ネットとリアルの融合による販売拡大に取り組む。2月に会員制電子商取引(EC)サイトを開設し、同サイトで販売している生地をこのほど東京都内で開催した24春夏商談会で展示した。ネットとリアルを融合した商談会は初の試みだったが、来場者の評価は高かった。
トレーサビリティーが確保された数千品番の備蓄生地が購入できるのが、2月1日に開設された「スタイレムファブリックストア」だ。生地オーダーサイトは以前から運営してきたが、新たに生まれ変わった。備蓄生地の商品情報はもちろん、在庫や納期、品質データの確認、注文までワンストップで提供する。
サイト内では多くのコンテンツを用意している。ファブリックブランドでは、特殊な紡糸技術と高度な加工技術によって原糸にランダムな太さと細さを付与したポリエステル糸「リリーワルツ」、天然染料90%以上と化学染料を組み合わせた染料で染めた「インフィオラータ」などを提案している。
スペシャルフィーチャーでは、染色・加工の大長(滋賀県東近江市)が開発した「近江晒加工」、乾式八丁撚糸を使った吊(つり)練りハンドカットジャカード、小松マテーレの「ビンテージ繊意」などを打ち出している。服地見本市「ミラノ・ウニカ」や「プルミエール・ヴィジョンパリ」で人気の生地を紹介している。
商談会では、これらの生地を会場に並べ、来場者が実際に手に触れられるようにした。ミラノ・ウニカやプルミエール・ヴィジョンパリでは大長の近江晒加工や綿麻高密度ツイルをはじめ、サステイナビリティーに対応した生地が人気で、商談会でも足を止める来場者の姿が目立った。
スタイレムファブリックストアは、開設以来会員数が増え、ユニフォーム関連企業なども入会した。リアル商談会との融合でさらなる販売拡大に期待をかけ、今年中に英語版を開設する予定のほか、中国語版の検討も進める。