関西ファッション連合(KanFA)/SDGsへの取り組み/パートナーシップで廃棄削減/テンタック/岩下/スタイレム瀧定大阪/三喜商事/マーキーズ
2023年05月17日 (水曜日)
関西ファッション連合(KanFA)は3年前、2020年度を初年度とする「SDGs3カ年計画」を策定するとともに、SDGs推進室を事務局内に新設した。20年度を「理解と実践」、21年度を「拡大と継続」、22年度を「成果の検証」と位置付け、実施目標として「パートナーシップで廃棄削減に取り組む」を掲げた。
21年4月には加盟組合員の中からSDGsへの取り組みに熱心な企業を表彰する「SDGsアワード」もスタート。今年4月16日には3回目の授与式を終えた。どの企業のどのような取り組みが評価されたのか、紹介する。
〈SDGsアワード2022/6社の多様な取り組み表彰〉
◆パートナーシップ賞/特許技術でCO2削減/テンタック
副資材製造卸、テンタック(東京都新宿区)は、プラスチックの生産時に、CO2排出を抑制する素材を添加することで、焼却時のCO2を約60%削減できるフィルムパッケージをベンチャー企業と共同開発した。わずかな量を加えるだけでイニシャルコストがほとんどかからず、さまざまなプラスチック製品を安価にエコ化することができる。
ハンガーやパッケージ、レジ袋などのほか、紡績企業と取り組んで、ポリエステル繊維の原料や化粧品容器メーカーのボトル原料としても供給する。
同社の看板商材の一つであるRFID(無線通信による個別管理システム)でも、金属やアクセサリー、リネンなどに対応したタイプや、基材として使っていたフィルム部分を紙に変えるなどした環境配慮タイプも開発。RFIDを使うことで情報処理のスピードが格段に上がるため、業務や在庫の無駄が無くなり、結果的に経済や社会にプラスの影響を生み出す。
◆ユニーク賞/小さな工夫積み重ね/岩下
ベビー用品製造卸の岩下(大阪府東大阪市)は、環境に優しく再利用も可能な綿100%素材を極力使うことを心掛けている。協力編み立て工場には、裁断時の廃棄生地を極力減らすために生地幅の設定など効率的な編み機稼働を依頼している。
和歌山で編み立てた生地を送る先は熊本。縫製工場と染色工場があるためだ。その輸送方法を、トラックからJR貨物に切り替えた。CO2排出量を削減するためだ。トラックと比較して13分の1の排出量になった。
廃棄される裁断くずを、手袋などの素材にリサイクルもする。裁断くずを運搬するためのダンボールも「もったいない」として、通いの袋でやり取りしている。
同社は女性比率が80%。「女性が活躍できる企業」を標ぼうし、産休・育休制度を整えているほか、誰もが働きやすい職場環境を整備している。
◆審査員特別賞/認証取得で確かな製品/スタイレム瀧定大阪
生地商社のスタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、環境や社会に配慮した生地や原料を「エコアーチ」と総称して展開している。
無水染色やデジタルプリントの積極的な採用、BCIコットンのような農家を支援し、トレーサビリティーが確保されている取り組みの推進、生分解性素材やバイオマス原料の活用など多様な角度からSDGsをとらえている。
オーガニックコットンでは国際認証のGOTSとOCSの両方を取得。インドの綿農家と契約し、種から育てるプロジェクトも立ち上げた。
リサイクル認証のGRSやRCSも取得済みで、レーヨン素材ではFSC認証を取得した。
廃棄衣料のポリエステル繊維を集めて培地化した「トゥッティ」の採用も広がりを見せている。
ウールでは、原料から最終製品に至るまで動物愛護や環境配慮の観点でしっかり管理されているか否かを重視している。
◆アクション賞/間伐材から服/三喜商事
ファッション製品輸入卸の三喜商事(大阪市中央区)が評価されたポイントは、間伐材を糸にした「木糸」を用いたサステイナブルな次世代ブランド「アルヴェリ」の取り組み。木が持つ、吸湿性、UVカット、抗菌性、軽量性などを理解した上で、環境に優しく人にも安心・安全な服作りを進めている。
モノ作りは原料の調達からデザイン、縫製まで全てメード・イン大阪で行っている。アルヴェリを通じて地元に仕事が生まれ、地域の活性化に貢献するのがその趣旨だ。
社員の働く環境を改善するためにフリーアドレス制を導入したほか、社内フロアを改装してコミュニケーションエリアを設置。フレックスタイム制もスタートさせた。欧州への留学生、欧州からの留学生支援も行っている。
工場稼働で雇用創出/トレモア・プランニング
ファッション製品OEM/ODMや自社ブランド販売のトレモア・プランニング(大阪市中央区)は、「工場が発展し、稼働し続けることが新しい雇用の創出につながる」という考えの下、他産地の工場同士をマッチングさせて新しい商品を生み出すといった取り組みを進めている。
世にまだ知られていないSDGsのテーマに沿う商品や技術、文化は数多い。それらの結び役に同社がなることで、パートナーが生まれ、新たな商品が生まれ、新しい価値や地場産業の次世代の継承になると考え、活動している。
表が従来通りのビニール製、裏が紙製のパッケージを企画するなど、独自の商品開発や取り組みも増えている。
子供たちのために/マーキーズ
子供服小売りのマーキーズ(堺市)は、「子供たちとご家族のことを第一に考えたモノ作り」を創業当時から大切にしてきた。
サステイナブル認証の「コットンUSA」を意識的に使った商品開発を行うほか、米国で古着を調達し、パキスタンで古着の使用できる部分を裁断・再縫製したり、裁断後の端切れをつなぎ合わせて新たな製品にアップサイクルしたり、裁断くずの廃棄を減らしたりしている。
メード・イン・ジャパンにこだわった自社ブランド「ジポン」を展開することで、日本の雇用創出にも貢献する。
社内従業員に対しては、SDGsに取り組んだ事例を社内メールで定期的に発信し、SDGsに関わった商品を通して店舗スタッフへの周知を試みている。




