ミラノ・ウニカ24秋冬開幕/ハイエンド女性向けが高成長/日本のリアル出展23社

2023年07月13日 (木曜日)

 【ミラノ=Imago Mundi代表・両角みのり】国際生地見本市「第37回ミラノ・ウニカ」(MU)が、イタリア・ミラノのローフィエラ会場で11日(現地時間)、開幕した。会期は13日まで。対象シーズンは24秋冬。日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー」(JOB)には新規6社を含む23社が、ハンガーサンプルのみ参加の「JOBプラス」には新規1社を含む5社が名を連ね、日本の生地の魅力をアピール。MUでの商業的可能性に大きな期待を寄せていた。

 展示スペースは新型コロナウイルス禍前のレベルに戻った。オープニング記者発表が午前中から夕方に移行したこともあり、初日午前中は客足が伸び悩んだが、午後から増え続け、コンスタントに来客が続いた。

 MU全体の出展者数は403社のイタリア、海外から78社と、回を重ねるごとに成長している。さらに81の特別展示を合わせると計562の出展者数となった。

 MU代表のアレッサンドロ・バルベリス・カノニコ氏は「コロナのパンデミック(世界的大流行)前のレベルを超えた出展者数に満足している。特にクリエーティブな提案がますます質の高いものになっていることに大変満足している。持続可能で価値のある製品を求める国際的トップバイヤーが選ぶイベントとしてMUの地位を維持するためのモチベーションになっていることは間違いない。ハイエンドの女性向け商品の成長が見られる」とコメントした。

 ペインカンパニーのシニアパートナーであるクラウディア・ダルビッツォ氏が業界に関する洞察を発表。「2024年の業績は主に繊維メーカーが行う価格決定の影響を受けるだろう。明日の勝者は、顧客への総合的サービスの提供、継続的なイノベーション、コロナ禍後の価格帯の維持、サプライチェーンの維持、新しい人材の確保と訓練――という五つの重要な課題にうまく立ち回ることができる繊維メーカーだ」と強調した。

 イタリアファッションシステム代表のセルジオ・タンボリーニ氏は、「繊維業界の次の課題はデジタル化、持続可能性という二つのキーワードだ」と述べた。