ミラノ・ウニカ24秋冬閉幕/極東バイヤー復活/日本の技術に注目
2023年07月19日 (水曜日)
【ミラノ=Imago Mundi代表・両角みのり】イタリアで開かれていた国際生地見本市「第37回ミラノ・ウニカ」(MU)が3日間の会期を終え13日、閉幕した。2022年7月に比べ16%増の4701社が来場(イタリア3118社、外国1583社)し、24秋冬のファブリックとアクセサリーコレクションを発表した計562社の出展企業を訪れた。
外国からの来場社の伸び(26%増)の中でも、日本100社(94%増)、韓国65社(100%増)に加え中国からの97社も注目される。入場社数上位国は、米国165社、英国122社、フランス117社、スイス110社と続く。出展者は、レディースコレクションを求める海外バイヤーの増加に満足を示していた。
日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー」(JOB)では、最終日の電車ストライキの影響もあり客足は落ちたが、初日午後、2日目は多くの来場者でにぎわった。MU初出展6社の中でも特に注目を集めたのは、光電子セラミック粒子特許を持つ長谷虎紡績(岐阜県羽島市)とその子会社ファーベスト(東京都中央区)のブースだ。
「機能性商品がどこまで欧州で通用するか分からなかったが、興味を持って熱心に説明を聞いてくれるバイヤーが多くうれしい」と手応えを感じていた。世界初の人工タンパク質素材の量産化に成功したことでも知られるスパイバーもJOBに参加した。
V&Aジャパン(大阪市西区)は「クラフトエボリーテ」という生分解性ポリエステルの生地をメインに、生体分解の様子を見せるデモ機材と合わせて展示。CO2の削減、原料のバイオ化(石油不使用、自然素材を用いた染色など)、水の削減など、環境に負荷をかけない服作りに真摯(しんし)に取り組む企業として注目を集めた。
尾州産地の合同ブースでは、01年から「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ」に連続出展する国島(愛知県一宮市)が独自の生地コレクション「COBO(コーボー)」ラインを展示。長年の歴史に裏付けられた技術と実績のあるメーカーだが、デザイナーが直接、生地の魅力を語るスタイルは目を引いた。フランスとイタリアのデザイナーの生地の好みの違いから、ビッグメゾンでのプレゼンテーションの様子など貴重な話も聞けた。
社長自らが来客の呼び込みに積極的に動く柴屋(大阪市中央区)は、小口対応、短納期、生地開発能力が強みの生地商社。初日午前中で既に約50社の来場があるなど、集客力も高かった。サステイナブルな天日干しの生地や「フードテキスタイル」が注目を集めた。
ハンガー展示のみのJOBプラスコーナーでは、リアルから移行したサード・パーティー(東京都渋谷区)やオールブルー(同)が安定したデニム人気の中でバイヤーからの問い合わせが多かった。新型コロナウイルス禍の救済措置として始まったこのコーナーだが、今後の展開が注目される。
展示会場のコーナーやスタンドの位置で客入りが多少影響されるのは仕方ないが、全体的におとなしくまとまった印象が強い。円安の影響があるかと思いきや、原料の高騰と輸送費の高騰でバイヤーのうまみは思ったより少なく、納期問題が大きなネックの一つになっているようだ。
「Buy less buy better」(より少なく購入し、より良いものを購入する)時代を迎える中、高品質な素材は衣類の寿命と再利用に有効であり、消費者は多くの衣類を購入するより、環境への影響がより少なく、より良い物を買うという選択をする傾向へと向かう。JOBはコーナーの規模も参加企業数も戻った。MUからの期待も高まる中、日本の技術力と生地の魅力をアピールできる、さらなる盛り上がりに期待したい。




